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Road to 2020
2019.07.24

社員、社外、社会をつなげる乃村工藝社の五輪プロジェクトとは

 創業127年という歴史を持つ株式会社乃村工藝社は、各種施設の空間創造を手掛けるディスプレイ業界における最大手企業です。しかし、BTOBという特性に加え、影の立役者的な存在であるため、一般消費者の認知度も高くない現状があります。

 そこで、社外とのつながり、社内のつながり、そして、社会とのつながりを強化するため、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京2020)のオフィシャルサポーターに名乗りを上げました。果たしてどのような挑戦になるのでしょうか、同社東京2020オリンピック・パラリンピック推進室の原山麻子氏に伺いました。

【乃村工藝社 プロフィール】

 株式会社乃村工藝社は、国内外の大型商業施設や、国内各地の博物館、美術館、科学館で企画・設計・施工、運営管理などを手掛ける空間創造のプロフェッショナルパートナー。創業は1892年。企業理念として「歓びと感動を届ける空間価値の提供」を掲げている。

 

乃村工藝社がオフィシャルサポーターになったワケ

――東京2020オフィシャルサポーターに名乗りを上げた理由の1つにディスプレイ業界の地位向上があったと聞いています。

 当社の業務内容は、美術館や博物館、商業空間などの空間をデザイン、プロデュースする「ディスプレイ業界」と定義されています。これまで表立ってスポーツイベントの協賛をした実績はありませんが、東京2020オフィシャルサポーターに名を連ねたのには理由があります。

 実は、「ディスプレイ業」は、1970年に大阪で開催された日本万国博覧会で当社の先輩たちの活躍が一因となり、社会的に認知されるようになったという経緯があります。しかし、それは一部の業界のことであり、現在もディスプレイ業の認知度は一般の方々の間でそれほど高くありません。

 乃村工藝社では、その価値を社会に広く伝えることで、社員をはじめこの業界を支える協力会社全ての方々が、仕事への誇りを新たにしていただくきっかけにしたいと考えました。

 奇しくも大阪万博からちょうど50年。東京2020のオフィシャルサポーターとしての活動を通じて、この業界と業務に関する認知と理解が社会に浸透する一助になればよいと思っています。

――国際的なイベントにかかわる初めての試みということで、苦労した点はありましたか。

 社内で、スポンサーになることの意義や、社内外にもたらされる価値について、数年間じっくりと協議を重ねたことでしょうか。また、契約に際し、どのような分野で大会の成功に貢献するかについて、組織委員会と折衝し、「内部空間・展示空間のデザイン、設計、施工」というカテゴリーを新設していただきました。

 カテゴリーの名称については、当社の仕事を表わすカテゴリー名は何が最適か、社内で何度もミーティングを重ねました。振り返ると自社のブランド価値を考えるきっかけになり、非常に有益な時間でしたね。

 

社員の自分事化を促すプロジェクトとは

――2020年に向けた機運醸成のために実施している「ツナガリングプロジェクト」について教えてください。

「ツナガリングプロジェクト」は、日本全国や世界中から集まる人々と「つながる」ことを応援するプロジェクトです。「空間創造によって人びとのもつ知恵やアイデアを『つなぐ』貢献活動が途切れることなく進行形で継続していく」ことを願って命名しました。

 具体的な施策の1つとして、… 続きを読む… 続きを読む

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