2007年より観光立国推進基本法が施行され、観光を日本の新しい柱とすべくさまざまな取り組みが進められていますが、その動きを加速させているのが2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催であることは言うまでもありません。訪日外国人数も急激に増加し、それに伴い多彩なサービスやビジネスチャンスも生まれています。その中で、いま日本はどのような課題を抱えているのか、2020年へ向けてどのような視点や方向性が求められるのか、株式会社イプシ・マーケティング研究所で、産業競争力会議の民間議員、複数企業の社外取締役などとして、幅広いフィールドで活躍する、野原佐和子氏にお話を伺いました。

 

訪日外国人の数が2000万人に近づく

 2016年1月19日に日本政府観光局が行った発表(PDF)によると、2015年の訪日外客数は1,973万7,000人となりました。これは過去最高であった2014年の1,341万3,000人と比べて47.1%増と大きく上回り、同局の統計開始後、最高の伸び率となったと言います。国土交通省観光庁では、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年の目標値として2,000万人を掲げていますが、そこを待たずして目標が達成されようとしていることになります。

 日本政府観光局によると、急増の主な要因として、クルーズ船の寄港増加、航空路線の拡大、燃油サーチャージの値下げ、継続的な訪日プロモーションなどが挙げられていますが、株式会社イプシ・マーケティング研究所の野原氏は、他の側面における要因にも言及します。

 「特にアジア圏からの訪日者増加がこの数字を牽引しているのですが、それら諸国が経済発展を遂げ、豊かになってきた背景があると思います。さらに、円安による影響も大きいですね。宿泊費・飲食費もそうですが、特に買い物を目的に訪日する人たちには、円安による“お得感”がかなり大きなインセンティブとなっているはずです」

 また、同日に観光庁が発表した「訪日外国人消費動向調査」の速報によると、2015年に訪日外国人が日本で消費した金額は、3兆4,771億円であり、初めて3兆円を超えただけでなく、前年から71.5%増と目覚ましい伸びを見せています。1人あたりの旅行支出額は約17万6,000円で、前年比16.5%の増加。円安の背景も受け、消費意欲がより旺盛になっていることもわかります。

 訪日外国人数とその消費金額の伸長を牽引しているのは、… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

野原 佐和子(のはら さわこ)

株式会社イプシ・マーケティング研究所 代表取締役社長、損保ジャパン日本興亜ホールディングス株式会社 取締役、株式会社ゆうちょ銀行 取締役、日本写真印刷株式会社 取締役。また、産業競争力会議 民間議員、内閣IT総合戦略本部 有識者本部員、内閣サイバーセキュリティ戦略本部 有識者本部員をはじめ、極めて多数の中央官庁の審議会・研究会等の委員を歴任し、積極的に政策策定に参画。さらに、2009年より慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授として、次世代の教育にも取り組んでいる

株式会社イプシ・マーケティング研究所について
■ 事業内容インターネット及びIT/ICTビジネスに関する事業戦略コンサルテーション、インターネット及びIT/ICTビジネスに関する調査・提案業務
■ 設立年月2000年12月20日
■ 本社所在地〒105-6027 東京都港区虎ノ門4-3-1 城山トラストタワー27階
■ 資本金10,000,000円
■ ホームページ

http://www.ipse-m.com/

関連キーワード

Road to 2020 バックナンバー

合わせて読む