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“ラグビー×街づくり”でワールドカップを盛り上げる三菱地所
2019.04.12

スポーツ・フロントライン第2回

“ラグビー×街づくり”でワールドカップを盛り上げる三菱地所

著者 Bizコンパス編集部

 オリンピック、サッカーワールドカップと並び世界三大スポーツイベントの1つにも挙げられるラグビーワールドカップ。2019日本大会の開幕まで、半年あまり。日本代表チームにとっては、前回イングランド大会で惜しくも決勝トーナメント進出がかなわなかっただけに、自国開催の今回こそはと期待が高まります。

 そのような中、ラグビーワールドカップを盛り上げようという動きが活発化しつつあります。大会のオフィシャルスポンサーである三菱地所株式会社(以下、三菱地所)は、東京・丸の内を中心に、2018年9月からラグビーイベント「丸の内15丁目プロジェクト」を開催しています。

 その取り組みの狙いやラグビー支援とビジネスの関りなどについて、同社ラグビーワールドカップ2019プロジェクト推進室の渡辺昌之氏と高田晋作氏に伺いました。

【ラグビーワールドカップ】

ラグビー・ナショナルチームの世界一を決める大会。1987年にオーストラリアとニュージーランドを開催国に第1回大会が開かれてから、4年ごとに開催されている。日本代表チームは第1回から出場しているが、これまで決勝トーナメントには駒を進めることができていない。ラグビーワールドカップ2019日本大会は、東京スタジアムをはじめ札幌、釜石、熊谷、横浜、静岡、豊田、東大阪、神戸、福岡、大分、熊本の全国12カ所で開催される。

【丸の内15丁目プロジェクト】

ラグビーワールドカップを盛り上げるために、“街づくり”を手掛ける三菱地所が立ち上げたプロジェクト。三菱地所の本拠地・丸の内にちなみ、“ラグビーだらけの”架空の街である「丸の内15丁目」をネット上に設定。「15丁目」の“15”はラグビーのプレイヤー数に由来している。街にはラグビーをアートで表現した「美術館」や元ラガーマンなどを講師に迎えた「ビジネススクール」、過去のワールドカップ試合の名場面などを上映する「映画館」、情報発信を担う「15丁目ニュースセンター」などがあり、ラグビーファンや一緒になって盛り上げたい人たちの住民登録を受け付ける「15丁目役場」も設置している。

 バーチャルの街に加え、実際の丸の内でも、イベント会場や店舗などの空間を活用し、それらを実現。2018年9月にアートやビジネススクール、映画上映などのイベントを丸ビルで開催。2019年1月には「よしもとラグビー教室」と題して、ラグビー経験のある人気芸人を招いたイベントも開催した。

 

「ワールドカップ2019プロジェクト推進室」を設置し本気で取り組む

 いよいよラグビーワールドカップ日本大会が、半年後に迫ってきました。「丸の内15丁目プロジェクト」を核にオフィシャルスポンサーである三菱地所の活動も加速していくことになります。同社ラグビーワールドカップ2019プロジェクト推進室長の渡辺昌之氏は、同社のスポーツ支援活動について語ります。

「これまで当社のスポーツ支援活動は、一部を除いてあまり積極的とは言えませんでした。しかしながら、“何かやりたいね”という思いは常に持っており、それを実現する形でラグビーワールドカップのオフィシャルスポンサーになりました。我々は東京を中心にオフィスや商業施設の賃貸業務を展開しています。ラグビーワールドカップは国内12カ所で開催されます。そこに至る過程は街づくりに似ていますし、ラグビー自体が15人の選手が各々の役割を担ってチームの勝利につなげていく競技であることも、ビジネスとの親和性が高いと考えています」

 同社ラグビーワールドカップ2019プロジェクト推進室統括の高田晋作氏は、プロジェクト推進の意義を話します。

「ラグビーワールドカップの日本開催が決まり、さらには前回大会で日本が南アフリカに歴史的勝利をあげるなど善戦したこともありラグビーファンは増えていると思われます。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、前年のラグビーワールドカップを盛り上げて、熱気をつなげていくことは、意義があります。さらに世界的なスポーツイベントのオフィシャルスポンサーとなり、支援活動を推進することはビジネスにも役立つし、企業ブランドの向上にもつながると考えています」

 同社は2018年4月に「ワールドカップ2019プロジェクト推進室」を設置。渡辺氏は当時を振り返ります。

「2018年2月、当社はプロリーグのスーパーラグビーに参戦しているサンウルブズのホームゲームのタイトルスポンサーになりました。そのころから、本腰を入れてやるには組織的に取り組む必要があると考えていました。できれば社内の幅広いセクションの社員たちにも関わってもらいたいと考え、推進室を設けました」

 以前から、社内のラグビー好きが集まって『ワールドカップに合わせて何かできるんじゃないか』という話が出るなど、いわば“勝手連的”に盛り上がっていた下地はあったといいます。ただし企業として本気で取り組むには、ビジネスとの連携や企業ブランドの向上につながるという意義付けも出てきます。

「社内の組織となると、本社の社員だけでなく海外や地方拠点の社員からも参画したいという声が上がっています。ラグビーワールドカップは北海道から九州まで開催されますので、地方の社員も関わることが可能です」(高田氏)

 

ラグビー支援は“あくまでもビジネス”を重視

 実は、高田氏は1999年度に慶應義塾大学が大学日本一になった時のキャプテン。ラグビープロジェクトでは、真っ先に声がかかったと言います。

「社内で… 続きを読む… 続きを読む

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