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IoT・ブロックチェーンをサイバー攻撃から守る「Cyber Week 2019」レポート
2019.08.05

シリコンバレー通信第17回

IoT・ブロックチェーンをサイバー攻撃から守る「Cyber Week 2019」レポート

著者 小室 智昭

 先月、短い期間でしたが、イスラエルのテルアビブ市で開催された「Cyber Week 2019」(6月23~27日)に参加して来ました。今回は、現地で会ったスタートアップ、会場の外での個別ミーティングの様子をお伝えしたいと思います。

 

1. 家庭のネットワークをサイバー攻撃から守るAkita

 ロシア人にとって”Akita”は特別なものなのかもしれない。

 High-IoT社のCEOのIgor Rabinovichさんはテルアビブに長い間住んでいるが、そのルーツはロシア系移民。Igorさんは、IDF(イスラエル国防軍、Israel Defense Forces)がプロのソフトウェアエンジニアの育成のために組織した「Mamram」に従事した経歴を持つ。Igorさんは、その時に習得したセキュリティに関する技術とノウハウを活かして、退役後にいくつかのスタートアップを立ち上げたそうだ。

 Igorさんが今回始めたビジネスは、家庭のネットワークをサイバー攻撃から守るというものだ。家庭にもWebカメラやAlexaなどのIoTデバイスが設置されるようになってきた。しかし、そのセキュリティレベルは高いとは言えない。Webカメラの場合、デフォルトのID/PWDのまま利用しているユーザーが多く、外から簡単にハックされる事件が後を絶たない。High-IoT社の狙いは脆弱なIoTデバイスそのものではなく、脆弱なIoTデバイスが接続されているネットワークだ。

 High-IoT社は家庭のネットワークに接続する、”Akita”という手のひらサイズのデバイスを開発した。ネットワークへの接続は簡単で、有線ケーブルもしくはWi-Fiで接続するだけ。そして、同社のAkita.Cloudというクラウドベースの監視サービスを契約すれば準備は完了する。あとは、High-IoT社が家庭のネットワークに設置されたAkitaを通じてIoTデバイスの脆弱性を発見して通知してくれる。

 例えば、ユーザーがデフォルトのID/PWD(パスワード)のままでIoTデバイスを使っている場合、ユーザーにID/PWDを変更するように通知するといった具合だ。High-IoT社はSmartphoneアプリも提供していて、ユーザーは自分の家庭のネットワークのセキュリティレベルを確認できる。

 Igorさんは、Akitaのターゲットカスタマーは通信事業者、通信機器の製造事業者と言っていて、専用端末の提供以外に、同社のソフトウェアをWhite Lebel(ホワイトラベル。OEMのように、他社ブランドの商品・サービスとして販売すること)として提供することも考えている。米国では、Amazon、eBay、Walmartですでに販売を開始している。それを考えると日本では家電量販店もHigh-IoT社のターゲットカスタマーになるだろう。

 Igorさんから、デバイスの提供と無料のアカウントをもらえることになっているので、手元に届いたら、評価して結果を報告する。

 

2. ブロックチェーンアプリの脆弱性診断をするValid Network社

 ブロックチェーンを活用したアプリ開発をする場合、… 続きを読む… 続きを読む

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小室 智昭

小室 智昭

大手通信会社でBox社などのシリコンバレーのスタートアップとの協業を推進する傍ら、シリコンバレーなどの北米の尖ったサービス、製品を日本に紹介している。

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