ハロウィンに向けて街が賑わい始めている10月24日、サンフランシスコ市でAmazon Goが営業を始めました。シアトル市、シカゴ市に続く3都市、6店舗目です。場所はサンフランシスコ市内の金融街の真ん中で、日中は安全なエリアですので、出張の際は立ち寄ってみるといいと思います。日本も無人のコンビニが注目されているので、きっと良い気づきがあると思います。

 今回から始まる連載「シリコンバレー通信」の第1回目としては、10月に「Finovate」、「Money 20/20」という2つのFinTechに関するカンファレンスが開催されたので、注目のスタートアップ企業4社を紹介します。

 

Eコマースのユーザーエクスペリエンスを格段に向上させるSwayPay社

 オンラインで何かを購入したり、予約をするときに「なんでこんなに入力に手間がかかるんだよ!?」という経験をしたことがある人は少なくないはず。そんな悩みを解決してくれるのが、SwayPay社というスタートアップ。同社が作成した比較ビデオを見ると、スマートフォンの電話番号を入力して、スマートフォンスマートフォンに送られてきたコードを入力し、モバイルペイメントを選択するだけでホテルの予約が完了してしまう。所要時間はたったの20秒だ。

 一般的な予約サイトでの予約を完了させるのに3分程度かかるとすると(SwayPay社調べ)、約10倍も早いことになる。従来の方法だと、20秒ではFirst Name、Last Name、メールアドレスの一部しか入力ができていない。

 SwayPay社の仕組みを使うと入力項目が少なくできることもさることながら、入力後のレスポンス時間も非常に短い。”少々お待ちください”を意味するクルクル回るアイコンが表示されないほどだ。

 SawyPay社のCo-founder&CEOのSevket Seyaliogluさんは”なぜ、他のサービスではあのクルクルアイコンが表示されるのかが分からない”というくらいパフォーマンスに自信があるようだ。

 なぜ、既存のシステムは遅いのかというと、いくつかのシステムが複雑に絡みあっているからだそうだ。各ホテルはPMS(Property Management System)というシステムを持っている。そのPMSが予約システムの中枢(CRS; Central Reservation System)と通信し、なおかつエクスペディア社などの予約サイトやサードパーティ製の予約システムとも連携する必要があるからだ。

 それをどうやって高速化しているのかは企業秘密だが、長年旅行業界に携わってきて、旅行業界における予約システムのメカニズムを隅から隅まで知っているSevketさんと、CRSを提供しているSabre社での業務経験があるCo-founder&COOのAkbar Salievさんだからこそ実現できた仕組みだと思う。

 SwayPay社のサービス開発コンセプトは「Increase conversions and reduce
abandonment by making checkout faster, easier and more sucure」。要は、早く、簡単にしかもセキュアに購入手続きを完了させることで、余計な中断を減らしてコンバージョンレートをあげるというもの。サービス提供者とサービス利用者の両方にメリットがある。

 ビジネス的な話をすると、Sevketさんは「既存のシステムはとてもコンバージョンレートが低い。デスクトップは約3%、モバイルに至っては1%未満だ。旅行業界は予約プロセスの余計な中断により、$525B(5,250億ドル、約60兆円)も機会損失をしている」と語る。SwayPay社の仕組みを導入したあるホテルチェーンでは、デスクトップのコンバージョンレートが25%上昇し、モバイルは500%も上昇したそうだ。

 SwayPay社の課金モデルは二つのモデルの組み合わせで構成されている。一つはホテルからのLicense Fee(ライセンス料、$4/room/month、1部屋1月当たり約450円)。そしてもう一つは… 続きを読む

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小室 智昭

小室 智昭

大手通信会社でBox社などのシリコンバレーのスタートアップとの協業を推進する傍ら、シリコンバレーなどの北米の尖ったサービス、製品を日本に紹介している。

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