シカゴに拠点を置くAvant(アヴァント)社は、AIとビッグデータを使って融資の審査を行う、個人向けローン会社です。時価総額20憶ドル、総貸出額40憶ドルに達する、ベンチャーキャピタルも注目のフィンテックスタートアップ企業の同社は、アメリカの金融をどのように変えているのでしょうか。
すでに60万人が利用、満足度も10点満点で「9.2」のハイスコア
Avantは2012年設立の、シカゴに拠点を置く個人向けローン会社です。三人の若い起業家が共同で設立した著名アクセラレーター(※1)のYコンビネーター(Y Combinator LLC)出身の同社は、AIを使って「借入の障壁とコストを下げる」ことを目的に、金融事業を展開しています。
※1 アクセラレーター…スタートアップやベンチャーに対し、事業の成長を加速させるため、支援を行う企業のこと。
群雄割拠の様相を呈しはじめたアメリカのフィンテック業界ですが、同社に対する投資家の関心は高くなっています。同社はこれまでに10回の資本調達を実施し、総額で18億ドル(約1,980億円)の巨額の資金を集めています。
いわゆるオンライン・レンダー(店舗を持たないローン会社)の先駆けとして創業した同社は、創業当初から多くの利用者を獲得し、営業開始から9年間で60万人の利用者を獲得。累計総額で40億ドル(約4,400億円)の資金を貸し付けています。
同社に対する利用者の満足度は高く、業界の顧客満足度調査会社トラストポイントのスコアで、10点満点中9.2点の高得点を獲得しています。この数字は競合他社を大きく引き離しています。
返済方法も利率もAIが決める
そのAvantのローンの仕組みですが、どのようなものでしょうか。Avantのローンのポイントは、ターゲットを… 続きを読む