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永遠に進化し続けるAIヘッドハンター「ヘレナ」の採用テクニック
2019.05.09

アメリカで注目のAIビジネス第6回

永遠に進化し続けるAIヘッドハンター「ヘレナ」の採用テクニック

著者 前田 健二

 サンフランシスコにWooというスターアップ企業があります。同社はAIヘッドハンターの「ヘレナ」を開発し、企業に提供していることで注目されています。

「ヘレナ」はどのようにして、優秀な人材をヘッドハントしているのでしょうか? 今回は大手ベンチャーキャピタルも注目している「ヘレナ」を紹介します。

 

2人の元軍人が立ち上げたスタートアップ企業

 Wooは2015年にリラン・コーツァーとアミ・ドゥドゥの二人が設立した、サンフランシスコに拠点を置くスタートアップ企業です。二人は軍隊に勤務後、テック系人材に特化した人材紹介会社のSeeVを設立しましたが、そこでテック系人材の労働市場における、いくつかの課題を見つけました。

 プログラマーやシステムエンジニアなどのテック系人材の労働市場では、人間のヘッドハンターが企業の依頼を受けて候補者へアプローチし、雇用条件などを調整しながらマッチングを行います。ヘッドハンターは自分の人脈やLinkedInなどを活用して候補者を探し、企業からのオファーを伝えます。しかし、マッチングできる人数には限界があります。また、苦労してマッチングできた候補者とのつながりも、マッチングから3か月も経過すると、その多くが切れてしまっているといいます。

“人間のヘッドハンターが行う仕事をAIにやらせることで、リクルーティング業務を効率化でき、マッチングの精度を上げることができるかもしれない。さらには、求人企業と求職者をつなぐ持続的なネットワークを構築することも可能になるかもしれない。”

 その可能性に気付いた二人は、実際にAIヘッドハンターを開発すべく、Wooを立ち上げたのです。

 

「ヘレナ」はどうやって優秀な人材をヘッドハントするのか?

 WooのAIヘッドハンター「ヘレナ」(Helena)の開発は、人間のヘッドハンターを学習することからスタートしました。

 Wooは、20人もの凄腕ヘッドハンターを各地から集め、同社が「ドリームチーム」と呼ぶプロジェクトチームを編成しました。そして、人間のヘッドハンターが集める情報の種類、情報処理方法、候補者へのアプローチ方法、条件交渉方法といったリクルーティングの各プロセスを、AIにマシンラーニングさせたのです。開発開始から二年後、ヘレナの能力はついに人間のヘッドハンターを超越するまでに進化しました。

 ところで、ヘレナはどうやって優秀な人材をヘッドハントするのでしょうか?まずヘレナは、Wooが「受動的な求職者」と呼ぶ人材に対し、ヘレナへの登録を促します。

 ここでいう「受動的な求職者」とは、… 続きを読む… 続きを読む

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前田 健二

前田 健二

フリーランス

東京都出身。2001年より経営コンサルタントの活動を開始し、新規事業立上げ、ネットマーケティングのコンサルティングを行っている。アメリカのIT、3Dプリンター、ロボット、ドローン、医療、飲食などのベンチャー・ニュービジネス事情に詳しく、現地の人脈・ネットワークから情報を収集している。

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