テキサス州オースティンに、ニューナレッジというスタートアップ企業があります。同社はインターネットやソーシャルメディアに流布されるフェイクニュースを探知し、企業ブランドを守るというユニークなビジネスを展開しています。

 フェイクニュースといえば、2016年のアメリカ大統領選挙中に行われた、ロシアによる情報操作事件が有名ですが、同社はそれを最初に発見したことで知られます。

 同社は、どのようにフェイクニュースや情報攻撃を探知し、企業ブランドを守っているのでしょうか。

 

フェイクニュースの悪用スキームはすでに一般人も利用している

 ニューナレッジ(New Knowledge)は2015年設立、テキサス州オースティンに拠点を置くスタートアップ企業です。同社を率いるのはDARPA(米国防省国防高等研究計画局)、ブルッキングス研究所(アメリカのシンクタンク)などの研究員を歴任し、アメリカ国務省の安全保障アドバイザーを務めたジョナサン・モーガン氏です。モーガン氏が執筆した、反社会勢力によるソーシャルメディア悪用の危険性に関する論文は、NATOテロ対策防衛会議や米国平和研究所などで紹介され、サイバーセキュリティにおける新たな危機を訴えるものとして大きく注目されました。

 モーガン氏によると、反社会勢力がソーシャルメディアを使い、世論誘導などを開始したのは、ISIS(イスラム過激派組織、イスラム国)の台頭と軌を一にしているといいます。

 勃興期のISISは、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアを活用し、欧米の主要メディアを攪乱、自らに有利な方向へ世論を誘導することに成功しました。モーガン氏はソーシャルメディアにおけるISISの活動を分析し、ソーシャルメディアにおけるユーザーの通常のやり取りと、ISISによる意図的な世論誘導行為とを分別し、後者に対する対応策の実施を呼びかけたのです。

 モーガン氏は、かつてISISが使っていたソーシャルメディアの悪用スキームは、今やISIS以外の反社会勢力や、政府や企業に何らかの不満を持つ一般の人々にも使われるようになったと指摘します。… 続きを読む

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前田 健二

前田 健二

フリーランス

東京都出身。2001年より経営コンサルタントの活動を開始し、新規事業立上げ、ネットマーケティングのコンサルティングを行っている。アメリカのIT、3Dプリンター、ロボット、ドローン、医療、飲食などのベンチャー・ニュービジネス事情に詳しく、現地の人脈・ネットワークから情報を収集している。

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