Bizコンパス

日本で高まる「春節」の存在感。中国人の消費力、地方に波及
2019.02.20

中国発!最新ビジネストレンド情報第5回

日本で高まる「春節」の存在感。中国人の消費力、地方に波及

著者 浦上 早苗

 2月4日夜、普段はオレンジ色の光を放つ東京タワーが、真っ赤に輝いた。この日は旧正月の大晦日にあたり、東京タワーが初めて、中華圏の新年を祝うためにライトアップされたのだった。

 中国には“民族大移動”が発生する大型連休が年に2回ある。年明けの春節と、10月初旬の国慶節だ。伝統的な家族観が強く残る同国では、春節は家族・親族が一同に会する貴重な機会であり、レジャー需要はもう一つの大型連休、国慶節にピークを迎える。とは言え、中国全体の消費力の向上で、春節休みを故郷ではなく海外で過ごす家族も年々増え、日本は例年、トップ3に入る海外訪問先にランクインしている。

 中国人の旺盛な消費力が日本で注目され、「爆買い」が流行語となった2015年から4年。その消費の対象は地方の体験型消費に広がり、また、日本の企業も歓迎の意をさまざまな取り組みで示している。

 

札幌雪まつりは118店舗がアリペイ対応

 中国の春節は旧暦で祝われるため、毎年休暇の期間が変わる。今年は2月4日から一週間で、ドンピシャだったのが札幌雪まつりだ。

 北海道は中国で2008年に大ヒットした映画『狙った恋の落とし方。』(原題:非誠勿擾)の大ヒットで一躍有名になり、東京、京都と並び、日本屈指の観光スポットとして知られている。

 今年の雪まつりでは、例年にも増して多くの中国人が来場することを想定し、会場内の飲食店118店舗が中国アリババグループのモバイル決済「アリペイ(支付宝)」を導入。アリペイで決済すると、1 人 2 回まで 20%割引の特典(1 回につき最大 8 元割引)が受けられる特別キャンペーンも実施した。同イベントは2018年に、テンセント系のモバイル決済「WeChat Pay」とアリペイを29店舗で導入していたが、今年は約4倍に拡大した。

 雪まつりと並んで、北海道に中国人を呼び込んだもう一つのコンテンツはスキーだ。中国は2022年の冬季五輪開催地(北京)であり、国を挙げてウィンタースポーツの振興に力を入れている。特に、中国のスキーファンは大幅に増えており、今年は以前からヨーロッパやオーストラリアの旅行者に人気の高い北海道に押し寄せ、春節期間は北海道各所でホテルの予約が取れなくなったという。

 ホテルやスキー場も、中国人の需要に懸命に応えようとしている。軽井沢にスキー場を持つプリンスホテルは、従来から導入しているアリペイに加え、今年2月5日からは、WeChat Payと台湾のキャッシュカード決済サービス「台湾金融カード」をグループの施設で使えるようにした。

 

訪日客になぜか人気、ヒット商品の新フレーバーPR方法とは

 北海道と並ぶ人気都市・京都でも、今年の春節は中国語が例年以上に飛び交った。京都駅ビルではラーメン屋が中国語でアナウンスを流し、お店が建ち並ぶ祇園の花見小路には、「中国語メニューあります」という表示や、中国モバイル決済のロゴが各所に掲示された。

 花見小路の突き当りにある建仁寺では、… 続きを読む… 続きを読む

続きを読むには会員登録が必要です

浦上 早苗

浦上 早苗

海外書き人クラブ所属、中国経済ライター

1998年から2010年まで西日本新聞社記者。その後中国政府奨学金を受け博士留学(専門は経営学)。中国・大連の少数民族向け国立大学で教員。中国経済ニュース、米国経済ニュースの翻訳の他、中国経済関連記事を執筆。法政大学MBA兼任教員。

関連キーワード

SHARE

あなたへのおすすめ

オープンイノベーションの糸口は東南アジアスタートアップ

2019.02.14

新たなイノベーションはアジアから始まる第1回

オープンイノベーションの糸口は東南アジアスタートアップ

中国人旅行者は「QRコード決済」で呼び込め!

2018.03.14

いま求められる“顧客接点の強化”第5回

中国人旅行者は「QRコード決済」で呼び込め!

進出先として人気のベトナムの魅力と意外なリスク

2018.06.20

実践に学ぶグローバルIT戦略第3回

進出先として人気のベトナムの魅力と意外なリスク