日本語は趣味で学べばよかった

「高校の同級生のSさんが、ITエンジニア職で就職したんですが、月収がなんと1万5,000元(約25万円)なんですよ」

 中国の大学で日本語を学び、来年卒業する孫坤楊さん(24)さんは、「自分もIT系の学部に進学して、日本語は趣味で学べばよかったかなあ」と苦笑した。

 IT人材の需要拡大はこの数年の傾向だが、孫さんにとって驚きが多かったのは、そのSさんが「三本大学」出身だったことだ。

 中国の大学は公的に「一本」「二本」「三本」に分類されており、あえて翻訳すれば、世間では「一流」「二流」「三流」と受け止められている。

 日本には“Fランク大学”という言葉があるが、中国でも「三本大学」は、就職活動では評価されないどころか、むしろ足かせになる認識されてきた。ちなみに、孫さんの在籍する大連民族大学は、大学としては「二本」だが、日本語学科と国際貿易学科だけは「一本」に分類される。筆者がかつて、同大学日本語学科の学生に入学の動機を聞いたときには、2割ほどが「一本だったから」と答えた。優秀な中国人を褒めると、「でも私は二本大学なんですよ」と返ってくることもある。一、二、三にはそれだけ大きな壁がある。

 だが、一本の学科を卒業しても、大連の日系企業に就職すれば、初任給は… 続きを読む

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浦上 早苗

浦上 早苗

海外書き人クラブ所属、中国経済ライター

1998年から2010年まで西日本新聞社記者。その後中国政府奨学金を受け博士留学(専門は経営学)。中国・大連の少数民族向け国立大学で教員。中国経済ニュース、米国経済ニュースの翻訳の他、中国経済関連記事を執筆。法政大学MBA兼任教員。

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