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なぜファーウェイCEOは、積極的に取材に応じるようになったのか?
2019.07.30

中国発!最新ビジネストレンド情報第10回

なぜファーウェイCEOは、積極的に取材に応じるようになったのか?

著者 浦上 早苗

 米中貿易摩擦の渦中にある中国IT企業ファーウェイ(華為技術)の任正非(レン・ジンフェイ)CEOが7月中旬、イタリアの記者団と会見した。以下、ANSA通信の記者とのやり取りを簡単に紹介したい。

記者:昨年12月まで、あなたはメディアに出て来ることがほとんどなかった。この十数年で取材に応じたのは2、3回ですよね。しかし、あなたの娘でもある孟晩舟副会長兼最高財務責任者(CFO)がカナダで拘束されて以降、メディアとの交流が増えました。なぜですか。

任CEO:私はいろいろ喋るのが好きではありません。孟氏の逮捕後、海外メディアのファーウェイに関する報道は、ネガティブな内容一色になりました。そこには、彼らのステレオタイプな物の見方を感じました。

 私は今回の危機にあたり、言葉を発して曇りを晴らす責任があります。今、私たちを取り巻く環境は真っ黒ではなく、灰色の状態になったと思っています。報道の30%は、自分たちの立場を理解した内容で、70%は相変わらずネガティブです。

 また、米国は非常に大きな力を持ち、世界の発言権を握っています。米国が言うことなら事実だろうと受け止められる構造があり、ファーウェイへの逆風が強まる要因になっています。顧客の信頼をつなぎとめるため、そしてサプライチェーンに当社が潰れないと納得してもらい、取引を継続してもらうために、そして従業員の信頼を得てしっかり働いてもらうために、私は発言を増やす責任があります。

 これほど厳しくファーウェイを責め立てる人がいない頃は、自分について語る必要もありませんでしたが、今は状況が変わりました。

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浦上 早苗

浦上 早苗

海外書き人クラブ所属、中国経済ライター

1998年から2010年まで西日本新聞社記者。その後中国政府奨学金を受け博士留学(専門は経営学)。中国・大連の少数民族向け国立大学で教員。中国経済ニュース、米国経済ニュースの翻訳の他、中国経済関連記事を執筆。法政大学MBA兼任教員。

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