2018.10.11 Thu

 10年後、4,000兆円規模まで拡大すると予想される仮想通貨市場。日本では、流出事件の影響で市場が縮小したが、逆に規制強化の影響で不正取引が減少して信頼性が高まり、今後の成長が見込まれている。

 競争が激化する仮想通貨ビジネスの展望や交換所のセキュリティ対策について、2018年3月に新規参入を果たしたマネーフォワードフィナンシャルの神田潤一社長に伺った。

 

世界の取引が集中する日本の仮想通貨市場

 仮想通貨の市場規模は、2018年3月時点で40兆円に達し、10年後には4,000兆円規模に成長すると予想されている。世間を騒がせたマウントゴックス、コインチェック、Zaifなどの事件により市場は一時縮小したが、逆に交換業が登録制となり、その後も規制が強化されたことで、脆弱な事業者が淘汰され、信頼性の高い仮想通貨取引の環境が整いつつある。

 仮想通貨関連ビジネスに参入する企業は増加の一途を辿っており、その中でも注目を集めているのが、国内フィンテックの雄であるマネーフォワードが設立したマネーフォワードフィナンシャル(以下、MFフィナンシャル)だ。日本銀行出身で金融庁出向時に日本の決済制度・インフラの高度化やフィンテックに関連する調査・政策企画に従事してきた金融エキスパートで同社の代表取締役社長を務める神田潤一氏は、新規参入の意図を以下のように語る

「日本の仮想通貨制度は、2017年に改正資金決済法が施行され、利用者の保護とマネーロンダリング対策が義務付けられました。世界に先駆けて行われた制度整備は、各国から高く評価され、世界の取引が日本に集まりました。今後、さらに多くの資金が流入し、事業者参入が相次ぎ、ユーザーも増えることが予想されます。その結果、3~5年以内に、日本発の革新的イノベーションが生まれる蓋然性が高まりました。

 この変革の潮流に取り残されてはならないとの危機感から、我々は新規参入を決意しました。仮想通貨交換業としては後発ですが、一連の規制強化により既存業者も新たな体制整備を進めている最中ですので、後発でも大きなデメリットはなく、むしろ規制に即したモデルを1から組み立てられる優位性があると考えています」

 2018年3月に設立されたMFフィナンシャルは、「お金のあり方を変える」をミッションとして掲げ、誰もが仮想通貨を通貨として使える社会を目指し、早ければ2018年中にも仮想通貨交換所を開設できるよう、システム構築などを進めている。

 

セキュリティ対策なくして仮想通貨ビジネスは勝ち抜けない

 マウントゴックス、コインチェックなどの流出事件により、一時仮想通貨への不安が高まったが、これらの事件は仮想通貨そのものやブロックチェーンが原因で生じたものではない。一連の事件や行政処分は、ホットウォレットサイトや秘密鍵の管理、KYC(Know Your Customer:顧客確認手続き)の不備など、仮想通貨交換所の運営管理およびセキュリティ対策の不備に起因する問題である。

 マネーフォワードの調査によれば、利用者が仮想通貨交換所の選択で最も重視するのは… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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