「API」とは、あるソフトウェアから、別のソフトウェアの機能を呼び出して利用できる仕組みのこと。APIを組み合わせることで、優れたサービスが効率的に生み出せる。

 前回は、APIエコノミーは今後も成長拡大が予想されるため、今日からAPIを最優先する「API First」の姿勢で取り組むことのメリットをお伝えした。しかし、もちろんノーリスクでチャンスが転がっている訳ではない。

  最終回の今回は、APIで失敗しないために、事前に意識しておきたい3つのリスクと対策をお知らせする。読者のAPIエコノミー参入成功の一助としたい。

 

APIで失敗してしまう企業の傾向とは

日本にもAPIエコノミーに早くから参入した企業は少なからずある。しかし、成功する企業もあれば、残念ながら失敗する企業もある。

 筆者は仕事上多くのAPIを分析しているが、具体的に成否をわけているのは下記3つだと捉えている。

【1】利用者の想定不足
【2】運用後の想定不足
【3】PR不足

 もしかすると「そもそもビジネスモデル自体に問題がある」ことも、失敗の大きな要因と考えている人もいるかもしれない。しかし筆者がみたところ、ビジネスモデル云々よりも、マーケティングで問題を抱える企業が多いように感じる。

 

【1】利用者の想定不足…「APIを用意すれば誰かが使う」わけじゃない

 一番多く見受けられるミスは「利用者の想定不足」である。

 私は前回、「API Firstでまず始めてみる」ことの重要性を伝えたが、それにかまけて「とりあえずAPIを用意したら誰か使うだろう」という姿勢では、やはり利用されないことがほとんどだ。「誰がこのAPIを利用するのか?」「なぜ他社ではなく自社のAPIを利用する必要があるのか?」「利用者にコスト(費用や時間)を強いるだけの魅力はあるのか?」ということを少し考えておくだけでも、ずいぶんと違ったものになりそうなAPIはたくさんある。

 もちろん想定通りにいかないことも多く、利用者が実際には違うといったことはありえる。しかし少なくとも利用者への最低限の気遣いがされていないAPIが、そのまま人気のAPIになる確率は低いといえる。

 

【2】運用後の想定不足…APIを「維持する」という観点の欠如

 本連載の第1回目では、「APIはサービスのコンピューター向け窓口である」と説明した。窓口であるということは、当然、窓口の運用費がかかる。この運用費を見込んでいないAPIが思いのほか多い。… 続きを読む

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丸山耕二

丸山耕二

APIbank APIエディター / 株式会社ウェブジョブズ 代表

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)でシステムエンジニアを経た後、Webコンサルタントとして独立。中小企業向けにデータアナリティクスを基軸としたWebコンサルタント業務や社内教育業務を手掛ける。著書:世界一やさしいGoogle Analyticsアクセス解析入門(秀和システム)、編集協力:APIエコノミー 勝ち組企業が取り組むAPIファースト(日経BPマーケティング)

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