企業と学生がお互いに大きな労力を使って行う新卒就職活動。しかし、長い道のりを経て得た内定にも関わらず、新卒社員の約3割は3年以内に離職しています(厚生労働省調べ)。

 なぜ早期離職が後を絶たないのか、いくつかのアンケート調査から、企業と新卒社員のミスマッチが起きる要因を探ります。

 

入社3か月で新卒社員の6割が入社を後悔

 レバレジーズが運営するフリーター・既卒向け就職支援サービス「ハタラクティブ」が、2018年新卒入社者を対象に行ったアンケート調査によると、「新卒で決めた企業への入社を後悔しているか」という質問に、約60%が「はい」と答えました。この調査が行われたのは7月半ばのため、入社から約3か月で、半数以上の新入社員が入社を後悔していることになります。

 中には既に退職済みの新入社員もおり、そのうち約30%が入社1か月以内に、88%が3か月以内という“超早期”に退職していることが明らかになりました。

 同調査において、新卒社員が入社を後悔している理由の上位に挙がったのが「入社前の情報収集が足りなかった」(31%)「やりたいことが明確にならないまま入社してしまった」(22%)「最初に内定が出たという理由で入社してしまった」(21%)の3つです。

 このようなミスマッチが起こる背景には、「売り手市場」があると予想されます。

 2018年は、学生優位と言われる近年の就活戦線の中でも「超売り手市場」と呼ばれ、大卒の就職内定率は過去最高の98%を記録しました。このような環境下のため、周りと同じように就職活動をし、“内定が出たから入社する”といった受け身の姿勢で就職活動に臨む学生が増え、企業や自分自身の働く動機に向き合うことなく入社先を決めてしまい、入社後の後悔に繋がっていると推測されます。

 

第二新卒市場の盛り上がりが早期離職を後押しも

 もうひとつ、新卒社員の早期離職を後押ししている要素として、「第二新卒市場」の盛り上がりが考えられます。ここ数年、超売り手優位の新卒市場では人材を確保しきれなかった企業が、優秀な早期離職者を狙って、第二新卒採用に力を入れるケースが増えています。

 前述の「ハタラクティブ」のアンケート調査では、新卒社員の約40%が「第二新卒として転職活動ができるので、早期離職は特に問題だと思っていない」と回答しています。第二新卒という受け入れ市場があることで、早期離職に対するネガティブなイメージや不安を持ちにくくなっていることが伺えます。

 総合転職エージェントの株式会社ワークポートが発表した「転職者動向調査」によると、「未経験・第二新卒(29歳以下)」カテゴリの転職決定者は、転職によって年収が平均約… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

前野 智子

前野 智子

フリーライター。大企業・ベンチャー双方での就業経験や海外でのビジネス経験を活かし、ビジネス関連記事やインタビュー記事等の執筆を手掛ける。

関連キーワード

連載記事