日本の「ガラパゴス化」は携帯電話などの分野でよく使われてきた言葉ですが、支払いの分野でも、世界と日本の状況が大きく乖離しつつあります。日本は世界的に進んでいるキャッシュレス化に遅れを取っており、いまだに現金支払いが主流となっています。

 本記事ではいくつかのアンケート結果を元に、日本がキャッシュレス化するために必要なことが何であるかを読み解きます。

 

日本は現金支払い派が90%

 マンハッタン・アソシエイツ株式会社がアメリカ、中国、日本の3カ国の一般消費者を対象に実施した「実店舗およびオンラインショッピングに関する意識調査」では、日本のキャッシュレス化の遅れが浮き彫りとなる結果が出ています。

「店舗での支払い方法について、あなたはどれが好ましいと思いますか?」という質問では、日本は「従来型のレジカウンターでの支払い」が65%と圧倒的多数を占めました。一方、中国では「売り場でのモバイルPOSを使った支払い」、「アプリによるスキャン&ゴー方式の無人レジ支払い」という、キャッシュレスな支払い方法を選ぶ消費者が約60%を占める結果となりました。

 実際に中国社会のキャッシュレス化は急速な勢いで進んでいます。中国では電子マネー「WeChat Pay」や「Alipay」でのスマートフォン決済が既に広く浸透しており、公共交通機関やタクシー、スーパーやレストランなど、どこでも使うことができます。ローカルな市場や露店などでもモバイル決済が普及しており、店舗内に張り付けられたQRコードにスマートフォンをかざすだけで決済が完了します。

 一方、日本では未だに支払いを現金で行う習慣が根強く残っています。楽天リサーチ株式会社が行った「キャッシュレス決済に関する調査」によると、回答者の90%が現金での支払いをしていると回答し、さらに最も利用する支払い手段としても現金を挙げる人が48%を占めました。

 現金以外の決済手段の利用率は高い順にクレジットカード、商業系カード型電子マネー(nanaco、WAON、楽天Edyなど)、交通系カード型電子マネー(Suica、PASMOなど)、銀行振り込み、商品券と続き、スマートフォンアプリを利用したモバイル決済の利用者は、わずか15%に留まっています。

 

クレジットカードがあるのにキャッシュレス化できない理由

 なぜ、日本人は現金ばかりを使うのでしょうか。楽天リサーチの調査では、最も利用する手段として「現金」を選んだ人の理由は… 続きを読む

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前野 智子

前野 智子

フリーライター。大企業・ベンチャー双方での就業経験や海外でのビジネス経験を活かし、ビジネス関連記事やインタビュー記事等の執筆を手掛ける。

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