アンケートから読み解くビジネスの課題(第5回)

スキルアップのためだけに副業をする人はいない

2018.08.29 Wed連載バックナンバー

 政府の働き方改革の一環として副業の解禁・推進の方針が掲げられ、2018年1月には厚生労働省のモデル就業規則改定で、副業が「原則禁止」から「原則容認」に変更されました。

 企業側も副業解禁の理由として、社員のスキルアップや本業への還元を掲げています。昨年副業を解禁したソフトバンクも、副業解禁の目的を「副業の場で得た知見やノウハウを、これまで培ってきた経験や知見と新しく組み合わせることによって、将来の新規事業や既存事業の活性化などイノベーションの創出につなげる」としています。

 これまで日本ではあまり定着してこなかった、このような副業という働き方は、政府のアナウンス以降、どのように変化しているのでしょうか。いくつかのアンケート結果を元に、現時点でどのような副業がなされているのか、副業に対する管理職や一般社員の意識は変化しているのか、といった副業の実態に迫ります。

 

約7割の企業が未だ副業禁止。管理職の意識には変化も

 アデコ株式会社が上場企業に勤務する30代から50代の管理職に対して実施した「副業・複業に関する調査」によると、「自社は副業を認めていない」との回答が約7割に上っています。政府のアナウンスがありながらも、実際には副業を禁止している企業が多数派なことがわかります。

 その一方で「あなた自身は、副業・複業を認めたほうが良いと思いますか」と管理職層の個人的な考えを尋ねた質問では、「認めたほうが良い」が33.5%、「条件付きで認めたほうが良い」が50.6%となり、8割以上の管理職が副業に肯定的であるという結果になりました。

 同時期に行われた日経ビジネスの副業に関するアンケートでも、実際に副業を導入している企業は2割にとどまるものの、経営者・役員の約7割が企業の副業解禁に賛成と回答しています。

 経営者の意識も変わってきているようです。日本経済新聞が行っている「社長100人アンケート」において、「副業を認めている」「認めることを検討している」と回答したは、2016年12月の調査でわずか17%だったのに対し、2018年3月の調査では42%の経営者が「副業を認めている」「認めることを検討している」と回答しています。

 これらのアンケート結果から、政府の副業推進アナウンスが行われてから現在までの約1年半の間に、経営者・管理職層の副業に関する意識も反対から賛成・容認へ大きく変わりつつあるといえそうです。

 

どんな副業をしているのか?

 実際に副業をしている人はどのくらいいるのでしょうか。株式会社インテージリサーチが行った「副業に関する意識調査」によると、回答者の… 続きを読む

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前野 智子

前野 智子

フリーライター。大企業・ベンチャー双方での就業経験や海外でのビジネス経験を活かし、ビジネス関連記事やインタビュー記事等の執筆を手掛ける。

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