アンケートから読み解くビジネスの課題(第4回)

「無期転換ルール」で派遣社員の待遇はUPする?

2018.07.27 Fri連載バックナンバー

 2013年4月に施行された改正労働契約法により、2018年4月から「無期雇用転換ルール」(以下、無期転換ルール)が適用されはじめています。無期転換ルールとは、使用者である企業との有期雇用労働契約が通算で5年以上なった場合、労働者が希望すれば、無期雇用労働契約への転換を申し込めるルールです。

 この無期転換ルールについて、実際に働いている人達はどのように受け止めているのでしょうか。2つのアンケート調査を元に見ていきます。

 

無期転換ルールは知られていない?

 まずは、ディップ株式会社が求人情報サイト「はたらこねっと」が、同サイトのユーザーである雇用者に対して行ったアンケート調査「はたらこねっとユーザーアンケート 無期雇用転換ルール(2018年問題)について」(有効回答数:1,369名、実施期間:2018年1月15日~2018年2月12日)の結果から見ていきます。

「無期雇用転換ルールを知っていますか?」との質問に対しては、「よく知っている」と回答した人はわずか9%。「少し知っている」は22%だったため、無期転換ルールは、合わせて3割しか知っている人がいない、ということになります。

 さらにいえば、「まったく知らない」は42%、「あまり知らない」は26%に及んでおり、合わせて約7割の人が、無期転換ルールを知らないという結果となりました。現場での認知度は非常に低いことが分かります。

「無期雇用転換には賛成ですか、反対ですか?」との質問に対しては、5割以上の人が「賛成」と回答しており(57%)、「反対」はわずか6%でした。しかし、37%の人が「わからない」と回答しています。

 5割を越えた「賛成」の理由として最も多かったのは、「雇用の安定が保証されるため」(33%)でした。2位が「同じ仕事を続けられるため」(18%)、3位が「契約更新の手間がなくなるため」「長期的なキャリア形成がしやすくなるため」「待遇改善が見込めるため」が各12%と続きます。無期転換ルールに期待されていることが、雇用の安定と、待遇の改善であることがわかります。

「『無期雇用転換』を希望しますか?」との質問に対しては、「希望したいと思う」と答えた人が65%と最も多く、「希望したいと思わない」と回答した17%を大きく上回りました。

 中には、「既に希望して、受諾されている」、「既に希望したが、受諾されていない」という回答もありましたが、前者は2%、後者は1%と、無期転換ルールを実際に利用している人は、全体でわずか3%しかいないという結果になりました。これは、本調査の対象は有期契約労働者でない人も含まれており、かつ調査期間が2018年1~2月と、ルールが本格的に実施される以前である点も影響しているでしょう。

 

派遣社員は無期転換を前向きに考えている

 一方、人材派遣会社のヒューマンリソシア株式会社では、有期契約労働の代表的な存在である「派遣社員」として働く女性を対象としたアンケート調査『派遣スタッフの働き方改革および労働関連法に関する実感調査』を行っています(調査対象:派遣で働く20代~40代の女性、実施期間:2017年12月15日~12月25日)。

「無期雇用転換の申し込み権利を得た場合、無期雇用化を希望するか」の質問については、1位が… 続きを読む

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地蔵 重樹

地蔵 重樹

フリーライター

ニュースサイトやオウンドメディアなどのWebコンテンツや、書籍のライティングを行う。著書に『〈アウトライン記述法〉でA4一枚の文書がサクサクつくれる本』(日本実業出版社)などがある。

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