2018.04.17 Tue

 毎年3月に開催される世界最大のクリエイティブ・ビジネス・フェスティバル「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」に、日本の家電メーカー、パナソニックが2年連続で参加しました。

 パナソニックは今回のSXSWの展示にて、社会課題や多様化する消費者のニーズにあった家電として「未来のカデン」を掲げ、ITで食生活に革命を起こす「フードテック」などの技術をアピールし、現地で注目を集めていました。

 同社が思い描く「未来のカデン」とは何なのでしょうか? 現地のようすをレポートします。

 

Twitter流行のきっかけとなったイベント「SXSW」とは

 SXSWとは、1987年にアメリカのテキサス州オースティンで始まったテックイベントです。スタートアップ企業の登竜門として投資家や企業から注目を集めており、Twitterも2007年に本イベントで表彰されたことで世界的な流行につながりました。

 今年はゲストスピーカーとして元カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツネッガー氏や、民間ロケットの打ち上げ成功で注目を集めているイーロン・マスク氏が登壇するなど、豪華な顔ぶれが華を添えました。日本からの出展も年々増えており、2018年には経済産業省、NHK、ソニー、パルコ、博報堂、東京大学など産学官の幅広い分野からの参加がありました。

 その中でも特に注目を集めたのが、パナソニックのブースです。

 

ITで味噌とおにぎりを美味しくする「フードテック」

 パナソニックが同イベントで目玉として掲げた技術が「フードテック」です。フードテックとは、食(フード)とテクノロジーの掛け合わせを意味する造語で、新しい技術によって調理や食事にまつわる新しい体験を提供する考え方を示しています。

 スマートフォンのアプリと連動して自分好みの味噌作りができる「MISO BALL CLUB」は、マルコメ株式会社との共同開発による製品です。味噌にセンサースティックを差し込み、温度と湿度のデータを元に熟成状況を分析し、アプリで消費者に最適な食べごろを通知する仕組みとなっています。

 ボタン一つでおにぎりを自動生成する「Oni Robot(オニロボット)」は、3D形成ハンドによる圧力フィードバック制御技術を採用することで、手作り感にこだわりました。コンビニで売られている冷たくて固いおにぎりとは異なり、適度に空気を含んでふんわりとした食感の再現に成功したといいます。

 Oni Robotは、アメリカを始めとした海外の和食レストランでの展開を視野に入れて開発されました。海外のレストランでメニューとしておにぎりを一品増やすとなると、現地スタッフのトレーニングには膨大なコストがかかります。しかしOni Robotを店舗に一台導入することにより、初期投資のコストを省くことができるうえに、現場のオペレーションコストを大幅に削減するといいます。

 

ブロックチェーンの技術をシェアハウスに活用する

 もう一つの目玉は「ブロックチェーンの活用」です。… 続きを読む

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田中 靖子

田中 靖子

法律家ライター

東京大学卒業後、2009年に司法試験に合格。弁護士として知的財産業務、会社設立等のビジネス関連の業務を扱う。現在は海外に在住し、法律関連の執筆や講演を行っている。

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