成功する投資、失敗する投資の違い

不動産投資にダマされない! サブリースの危険とは

2018.03.22 Thu連載バックナンバー

 年金制度の破たん問題が取り沙汰されるなか、「不動産投資」は老後資金対策としても人気を集めている。もちろん、投資である以上、リスクがないわけではない。たとえば、賃貸物件としてマンションやアパートを購入したにもかかわらず、入居者がつかないケースもある。

 こうした“空室リスク”を回避するため、不動産管理会社が建物を棟ごと借り上げ、オーナーの家賃収入を保証する「サブリース」という制度が、業界には存在する。ところが、この「家賃保証」という甘い誘い文句につられて契約した結果、結果的に保証額が減額されたり、サブリース契約そのもののを打ち切られるケースが起き、問題となっている。

 なぜ、不動産投資を保障するはずのサブリースが、オーナーを苦しめることになるのだろうか。そして、こうした落とし穴にハマらないためには、どうすれば良いのか? 『「空き家」が蝕む日本』(ポプラ社)などの著作で知られる、不動産コンサルタントの長嶋 修氏が解説する。


 

リスクを抑えるはずのサブリースに苦しめられる大家

 サブリースとは、オーナーが建てたアパートを不動産管理会社が丸ごと一棟借り上げ、空室に関係なくオーナーに一定の家賃を支払う仕組みを指す。業者が介入するため、オーナーが入居者から直接、家賃を受け取る場合に比べると額は低くなるが、空室リスクや家賃の滞納リスクを抑えられるため、オーナーには一定のメリットがある。

 問題となっているのは、この仕組みを不動産会社が乱用しているケースだ。現状、サブリースには法規制がない。そのため、契約書に記載する保証額や正規の家賃に対する比率、保証期間などに下限が設けられておらず、不動産管理会社の裁量に任せられている。そのため、小さな文字で「契約内容は○年ごとに見直す」といったオーナーに不利になり得る記載をする業者がいるためだ。

 ひどい場合には、保証額が正規家賃の半額に設定されており、ローンが返せなくなったオーナーもいる。サブリース契約を結ぶアパートには家電や家具付きの物件も多いが、オーナーが契約解除を申し出たところ、不動産会社が入居者に家電・家具の引き取りを告知し、そのうえで新しいアパートへ入居斡旋を行うなどで、入居者ごと奪われてしまったケースもある。

 とはいえ、契約書の内容に違反していなければ、オーナーが訴訟を起こしたところで勝算は薄い。この状況に国土交通省も腰を上げ、2018年度中にサブリースの契約方法の見直しを行い、書式や説明の仕方を改善させる方向で動いている。

 

サブリースは不動産会社に美味しい仕組みである

 こう書くと、サブリースがさも恐ろしいものであるかのように捉えられがちだが、それはあくまでもオーナー側から見たケースであって、不動産会社にとっては… 続きを読む

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長嶋 修

長嶋 修

不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所(https://www.sakurajimusyo.com)を設立、現会長。以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築いた。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任している。
2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。また自身の個人事務所(長嶋修事務所)でTV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。現在、東洋経済オンライン、Forbes JAPAN WEB等で連載中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及する。『「空き家」が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞出版社)他、著書多数。新著に『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)。
(編集:株式会社ネクストアド)

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