5月のイギリスは、ハリー王子(ヘンリー王子)&メーガン・マークルの結婚の話題で持ちきりだったが、彼らが今年2月スコットランドの首都エディンバラへ訪れる際に「是非とも行きたい」と自らメールし、実際に訪れたカフェがある。今回紹介する「ソーシャル バイツ」である。

 ソーシャル バイツは、一見普通のサンドイッチ カフェであるが、ホームレス経験者をスタッフとして雇い、さらに毎年10万人分の食事と温かい飲み物を、スコットランドのホームレスの人たちに提供する慈善活動を行っているソーシャル ビジネスだ。

 

きっかけは、ノーベル賞受賞者の一冊

 始まりは、共同創業者であるジョシュとアリスのカップルが、ある一冊に感銘したことによる。その一冊とは「貧困のない世界を創る」。この本の著者は、バングラデシュのグラミン銀行の総裁で、貧困撲滅のために30年以上もバングラデシュで銀行の信用貸付の肩代わりを始め、貧しい村を発展させてきた、ノーベル平和賞受賞者ムハマド・ユヌスである。

 ジョシュとアリスの2人は、この一冊にインスピレーションを受け、2011年バングラデッシュへ向かい、自分たちの目で、貧しい女性や子供たちが人生を変えていく姿を確認しに行った。この体験が、二人の人生を変えた。「スコットランドでホームレス生活に困窮する人々を支え、無くしていく」ことをミッションに掲げ、ソーシャル ビジネスを立ち上げることにしたのだ。それが、サンドイッチ カフェ「ソーシャル バイツ」である。

 

カフェは計5店舗へ拡充し、高級レストラン事業も展開… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

石橋 貴子

石橋 貴子

海外書き人クラブ所属・スコットランド在住ライター

海外に住むと、日々小さなものから大きなもの、楽しいことから残念なことまで、色々なカルチャー ショックがあります。コピーライター・編集者としての25年以上の職歴と、ジャーナリスム専攻という学歴を活かし、外面だけではない、内面的な部分まで掘り起こし、日本では知り得ないリアルな情報をお伝えしたいと考えています。

関連キーワード

連載記事