このウイルス/マルウェアに気をつけろ!(第1回)

「WannaCry」が流行した本当の理由

2017.12.27 Wed連載バックナンバー

 円滑なビジネスを妨げてしまう脅威のひとつにマルウェアがあります。マルウェアの脅威から身を守るためには、自社のセキュリティを強化することに加え、“敵”となるマルウェアを知ることも重要です。

 本連載では、マルウェアがどのようにビジネスを妨害するのか、そしてその被害を受けないためにはどうすれば良いのかを解説していきます。

 初回のテーマは、世界で30万件以上の被害を出したランサムウェア「WannaCry(ワナクライ)」の事例を中心に、ランサムウェアの脅威について解説します。

 

ランサムウェアとは何か?

 そもそもランサムウェアの「ランサム(ransom)」とは、英語で「身代金」という意味です。つまりランサムウェアとは、身代金を被害者に要求するマルウェア(≒コンピューターウイルス)の一種なのです。

 そして、ランサムウェアが「人質」にするものはパソコン、サーバ、スマートフォンのシステムやデータです。

 たとえば現在主流になっているファイル暗号化型ランサムウェアの場合、ランサムウェアはパソコンに感染し、システムやファイルを暗号化することでロックします。システムやファイルがロックされてしまうと、ユーザーはパソコンで作業ができなくなってしまいます。そこで犯人から「元に戻して欲しければ身代金を支払え」とメッセージが表示されるのです。支払い先は、多くの場合、ビットコインのアドレスが指定されるため、送金先の情報から犯人逮捕に結びつけるのは至難の業です。

 ランサムウェアにも様々な種類がありますが、今回取り上げるWannaCryは、2017年に世界中で大流行しました。

 WannaCryは2017年4月に出現し、5月12日急速に被害が拡大します。その被害規模は、セキュリティ企業のKasperskyは74ヵ国33万件以上、Europol(欧州刑事警察機構)は150ヵ国20万件以上と発表しています。発表元によって数値は違いますが、数多くの国に対し、膨大な数の被害が発生したことは、間違いありません。日本の大手企業もWannaCryの攻撃を受け、被害が発生しました。

 

WannaCryが大流行した理由

 ランサムウェアが多数存在する中で、なぜWannaCryはこのように大流行したのでしょうか? その理由の1つに、WannaCryは… 続きを読む

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岡本顕一郎

岡本顕一郎

サイバーセキュリティ企業スプラウトのリサーチャー。白夜書房から発行されていたセキュリティ雑誌『ハッカージャパン』の編集を経て、2014年よりスプラウトの立ち上げに参画、ダークウェブを中心に、最新のサイバー犯罪の調査を行っている。

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