楽天の「楽天スーパーポイント」、LINEの「LINEポイント」、ドコモの「dポイント」など、IT関連企業がポイントプログラムに力を入れるようになった。各社が自らの収益を減らしてまで、消費者にとってお得になるポイントを提供するのには、相応のメリットがあるからに他ならない。一体どのような理由があるのだろうか。

 

携帯電話会社などが次々とポイントに注力

 多くの人が日常的に利用しているであろうポイントプログラム。「Tポイント」「Ponta」などの共通ポイントがよく知られているが、最近ではIT企業もこのポイントプログラムに力を入れるようになってきている。

 その代表例となるのが、楽天の「楽天スーパーポイント」だろう。楽天スーパーポイントは2002年と古くから存在するポイントプログラムで、元々は楽天のインターネット上のサービスでしか利用することができなかったものの、主力のEコマースサービス「楽天市場」などの急成長、そして楽天のサービス拡大に応じて利用が急増。2014年からは実店舗でも利用できる「楽天ポイントカード」(当時はRポイントカード)の提供を開始し、国内のポイントプログラムとして高い存在感を示すに至っている。

 そうした楽天の成功を見てか、ポイントプログラムに力を入れる企業は年々増えている。実際LINEも2016年に「LINEポイント」を導入し、同社の決済サービス「LINE Pay」と連携したポイントの利活用を進めているが、中でも最近、特にこの分野に力を入れているのが携帯電話事業者だ。

 実際KDDI(au)は、2014年にプリペイドカードを活用した決済サービス「au WALLET」を開始した際、自社のポイントプログラムを「au WALLETポイント」にリニューアル。携帯電話料金の支払いなどで貯めたポイントをプリペイドカードにチャージし、現金のように扱える仕組みを提供したことで注目を集めた。

 またNTTドコモも、2015年に「dポイント」でポイントプログラムに参入。KDDIと異なり、NTTドコモ以外のユーザーでも利用できる共通ポイントの形をとり、幅広いユーザーが活用できる一方、NTTドコモのユーザーであればより多くのポイントが手に入る仕組みを提供するなどして差異化を図っている。

 さらにソフトバンクも、2014年よりポイントプログラムをTポイントに変更。2015年にはTポイントを運営する企業に出資しているほか、そのグループ会社であるヤフーも2012年よりTポイントを採用し、同年と2015年にTポイント運営企業への出資を実施。グループ全体でTポイントへの関与を強め、Eコマースの「Yahoo!ショッピング」などを活用したポイントキャンペーン施策で顧客獲得を推し進めている。

 

真の目的は顧客行動データの取得

 ポイントプログラムは基本的に、購入した商品の金額の、何パーセントかをポイントとして提供し、獲得したポイントは現金のように、商品を購入する際の原資として使うことができる仕組みだ。消費者にとっては大きなメリットがある一方、ポイントプログラムに関与する企業は、顧客がポイントを消費して商品を購入する分の金額を、代わりに支払うことで成り立っている訳だ。

 それゆえポイントプログラムは、企業にとって顧客が継続的にお店を訪れたり、サービスを利用したりする動機付けになる一方、企業にとってはポイントが多く利用されるほど損をする仕組みでもある。

 にもかかわらず、IT企業がポイントプログラムに力を入れる理由はどこにあるのだろうか。… 続きを読む

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佐野 正弘

佐野 正弘

ライター

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著作:『Windows&iPhone連携テクニック Windows 8.1対応』(共著、インプレスジャパン)、『今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ 大事典』(共著、技術評論社)、『ポケット百科 Xperia arc 知りたいことがズバッとわかる本』(共著、翔泳社)など

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