スマートフォンとQRコードを用いて決済する「QRコード決済」は現在、各社が独自のサービスを提供している。そのQRコードの規格統一を図るべく、キャッシュレス推進協議会が「JPQR」という規格を策定。2019年8月より一部の県を皮切りとして提供される予定だという。
しかし、その思惑通り、QRコードの統一化は進むのだろうか。
話題のQRコード決済が抱える課題とは
ここ最近大きな話題となっている、スマートフォンとQRコードを活用したQRコード決済サービス。2019年も大手企業が相次いで参入し、キャンペーン合戦が繰り広げられるなど、その盛り上がりぶりは止まらない。
だが、QRコード決済サービスの数が増えるに従って、いくつかの問題も浮上しつつある。セブン&アイ・ホールディングスの「7pay」が、2019年7月のサービス開始早々から5,500万円もの不正利用がなされるなど、セキュリティの問題でトラブルを起こすケースが相次いでいるというのもその1つだろう。
それに加え、構造上の問題として以前より挙げられている問題が、決済に使用するQRコードがサービス事業者によって異なるということである。
「QRコード」自体の仕様は定められているが、決済時に使用するそれは、各社が独自に定めているため、当然ながら互換性はない。導入する店舗側にしてみれば、サービスによってQRコードの仕様が異なることは大きな問題なのだ。
ひと口にQRコード決済といっても、実はその決済方法には大きく分けて2通りの方法がある。1つはスマートフォンに表示したQRコードを、店頭のリーダーで読み取ってもらう方法。CPM(Consumer Presented Mode)方式だ。そしてもう1つは、店舗にあるQRコードをスマートフォンで読み取り、金額を入力して決済する方法で、MPM(Merchant Presented Mode)方式と呼ばれる。
前者は、POSなどの変更が必要になるため大企業や大手チェーン店などで導入されており、後者は店舗に印刷したQRコードを置くだけで対応できることから、中小規模の店舗で導入されていることが多い。
だがCPM方式の場合、次々と新しいサービスが登場している現状、それらを追加する度にシステム改修が必要になるため、手間がかかってしまう。
後者はさらに厄介で、… 続きを読む