米Amazon.comの「Amazon Go」を代表に、無人決済店舗に関する取り組みが急加速している。そもそも無人でどうやって決済をするのか。なぜ今、無人決済店舗に向けた取り組みが増えているか。また日本でも普及していくのだろうか。無人決済店舗の背景と今後に迫りたい。

 

米中で加速する無人決済店舗の取り組み

 最近の“買い物のIT化”をより象徴する取り組みとして、最近注目されているのがレジのない無人決済店舗だ。

 これまでにもスマートフォンやインターネットといったIT技術がEコマースの急拡大をもたらすなど、従来の商習慣に大きな影響を与えてきた。しかしその影響は、インターネット上に留まらず、実店舗での買い物にも変化をもたらしつつある。

 その一例が、スマートフォンとQRコードを活用した「QRコード決済」だ。参入する企業が急増しており、無人決済店舗にも導入されている。

 無人決済店舗の代表例といばAmazon Goだろう。Amazon Goでは、レジでの決済が不要だ。専用のアプリで認証し入店、店舗に入った後は商品を手に取り、レジで決済をせず、そのまま店舗を出られる。後は自動的にAmazon.comのアカウントから料金が引き落とされ、支払いが完了するのだ。

 中国では、米国以上に無人決済店舗に関する取り組みが盛んだ。例えばアリババが展開する食品スーパー「盒馬鮮生(ファーマーションシェン)」。こちらの大きな特徴の一つが、スマートフォンのアプリから注文できる配送サービスだ。このサービスでは、店内外から注文した商品は3km圏内の場所なら30分以内に届けられる。Amazon Goとは違い、店内での会計が必要だが、「Alipay」などでセルフによるキャッシュレス決済ができる。

 さらにより進んだ例として挙げられるのが、中国のECサービス大手、JD.com(京東集団)が運営する無人スーパーである。こちらは”完全な無人化”を実現しているのが特徴だ。入店時と退店時にスマートフォンをかざして認証するだけで、あとはAmazon Goと同様に商品を手に取って店外に出るだけで決済が完了する。既に中国で20店舗を展開するほか、インドネシアへの進出も果たしているという。

 

技術革新とEコマースのリアル化が背景に

 なぜ今IT企業の中でも、Eコマース関連企業が無人決済店舗の開発に力を入れているのだろうか。それは、オンラインで規模を拡大してきたEコマース関連企業が、リアルにもサービスを拡大する狙いがあるためだ。

 スマートフォンの普及によってEコマースの利用が拡大し、多くの人がオンラインでの決済手段を持つようになった。そこでEコマースで成功を収めた企業は、その決済基盤を生かして… 続きを読む

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佐野 正弘

佐野 正弘

ライター

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著作:『Windows&iPhone連携テクニック Windows 8.1対応』(共著、インプレスジャパン)、『今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ 大事典』(共著、技術評論社)、『ポケット百科 Xperia arc 知りたいことがズバッとわかる本』(共著、翔泳社)など

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