2018年は、仮想通貨業界にとって受難の年となりました。

 その発端となったのは、大手取引所のコインチェック社で発生した仮想通貨「NEM」の流出事件です。仮想通貨取引所のひとつコインチェックが管理していたユーザーの仮想通貨が不正に送金され、被害総額は約580億円といわれています。

 未成熟な仮想通貨市場の危険性を指摘する報道も数多く見られるようになり、3月には金融庁に登録した国内の仮想通貨取引所16社が、仮想通貨市場を業界内から健全化するための新団体「日本仮想通貨交換業協会」を立ち上げました。

 この新団体により、不安定な仮想通貨業界はどのように変わるのでしょうか?

 

コインチェック事件の根本的な原因とは

 仮想通貨の新団体が果たす役割を知るためには、冒頭で挙げたコインチェックによるNEM流出事件の経緯を知る必要があります。

 コインチェックは、仮想通貨を購入・売却できる「仮想通貨取引所」のひとつです。ユーザーが仮想通貨取引所で仮想通貨を購入すると、まず取引所が持つ「ウォレット」と呼ばれるストレージ(保存領域)に保管されます。保管された仮想通貨は、自由に他のウォレットに移動できます。例えば、ユーザー自身のPC内にウォレットを作成して保管することも可能です。とはいえ、実際は自分のウォレットに仮想通貨を移すユーザーはほとんどなく、多くは取引所のウォレットに保管されたままでした。

 一般的には、こうした取引所内のウォレットにある仮想通貨を安全に保管するために「コールドウォレット」という手法が用いられます。コールドウォレットとは、ネットワークに繋がっていないストレージのことで、不正にアクセスされる危険性がない保管方法です。

 コインチェックの場合も、ユーザーから預かっている仮想通貨はコールドウォレットで保管していると謳われていました。しかし実際には、… 続きを読む

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小山田 明人

小山田 明人

株式会社ネクストアド代表取締役

1982年生まれ。神奈川県横浜市出身。「食えるライターを育てる」をビジョンンに掲げライティングチームを結成、ビジネス、ITを中心に様々なコンテンツに記事を寄稿。自身でもスクールキャッチという教育系ポータルサイトを運営する。経営する学習塾では中高一貫校の作文指導に携わる。http://www.nextad.co.jp/

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