ビットコインの価格が高騰するなど、2017年は仮想通貨が話題となりました。そんな中、いわゆる「メガバンク」でも仮想通貨の仕組みを取り入れようという動きがあります。

 三菱東京UFJ銀行は、独自の仮想通貨「MUFGコイン」を、自社行内で試験運用を開始しています。同様に、みずほ銀行は「Jコイン(仮称)」、SBIホールディングスも「Sコイン」といった独自の仮想通貨の創設を発表しています。

 しかし、なぜ今になって、銀行は独自の仮想通貨を推進しようとしているのでしょうか? 仮想通貨と銀行のこれまでの関係性から紐解いていきます。

 

仮想通貨はもともと「銀行へのアンチテーゼ」として生まれた

 そもそも仮想通貨は、銀行などの支配による中央集権的な金融社会からの脱却を目指し、金融機関へのアンチテーゼとして生まれた背景があります。そのため、仮想通貨は基本的に銀行と対立関係にあります。

 仮想通貨のパイオニアであるビットコインの起源は、2008年に投稿された「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」という論文でした。ここで示されたビットコインのコンセプトは、タイトルが示す通り「Peer-to-Peer(P2P)」で、これはお金や情報などの送り手と受け手が対等の関係であることを示しています。

 しかし、銀行の場合は、送り手と受け手の関係は対等ではありません。円やドルなどの法定通貨を送金する際は、銀行に手数料を支払う必要があり、銀行が常に利用者の「上」に立つことになります。

 一方でビットコインの場合は、理論上、相手に直接送金が可能であり、手数料などのコストはほとんどかかりません。仮想通貨は、そもそも銀行というものが無くても成り立ってしまう存在なのです。

 この「銀行vs仮想通貨」という対立において、もし銀行が負けて仮想通貨が勝ち、人や企業がすべての取引が、貨幣ではなく仮想通貨で行われるようになれば、銀行の業務の大半は失われることになります。

 

仮想通貨が浸透する前に、“独自の”仮想通貨を浸透させる

 しかし、現状では仮想通貨が「通貨に代わる存在」として市場に受け入れられているとはいえません。なぜなら、… 続きを読む

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小山田 明人

小山田 明人

株式会社ネクストアド代表取締役

1982年生まれ。神奈川県横浜市出身。「食えるライターを育てる」をビジョンンに掲げライティングチームを結成、ビジネス、ITを中心に様々なコンテンツに記事を寄稿。自身でもスクールキャッチという教育系ポータルサイトを運営する。経営する学習塾では中高一貫校の作文指導に携わる。http://www.nextad.co.jp/

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