ここ数年で、よく目や耳にするようになった「VR」という言葉。特に昨年は技術の進化がめざましく、2016年を「VR元年」と呼ぶほど、身近な技術になりつつあります。
今回は、そんなVRによって広がるビジネスの可能性について紹介します。
「VR」=「仮想現実」を利用した企業プロモーションが増加中
VRとは「ヴァーチャル・リアリティ」の略称のこと。その名の通り、仮想現実の世界をまるで現実かのように感じられる概念や技術をいいます。
ここ数年、スマホのアプリでは特に普及が進んでいますが、このVRを自社ビジネスの発信に利用している企業が増えています。商品や工場のプロモーションだけでなく、「もし自分が●●の立場だったら」という疑似体験プログラムに利用している企業も多く見られます。
これまで、ゲームなどエンターテイメント業界などで利用されるイメージはあっても、企業PRに活用できそうなイメージはあまりなかったVRを、企業のプロモーションに利用すると、どんなメリットがあるのでしょうか。実際にVR技術を導入している企業の例を見ていきましょう。
ビール缶の目線で楽しむ新しい工場見学
飲料メーカー大手のKIRIN(キリン)では、工場見学の一環としてVRの技術を活用しています。
VRプログラムが体験できるのは、キリンビール岡山工場の中。スコープ型のVRセットを装着することで、ユーザーは工場を流れるビール缶の1本になって、レールの上を進みながら“工場見学”できます。缶にビールが充てんされ、箱に詰められて出荷されるまでを、まるでジェットコースターのように臨場感たっぷりで楽しめる、という内容です。
子どもにも訴求力の高い内容になっているので、工場見学に家族で訪れてもらうのはもちろん、ものづくりの面白さや工場の清潔さを子どもたちに伝えることで、将来の顧客になってもらうという狙いも読み取れます。今後の工場見学のあり方を変える新しい取り組みといえそうです。
部屋で“世界旅行”が楽しめるVR体験型広告
ホテルチェーンのマリオットホテルでは、ルームサービスのひとつとして「VRヘッドセット」の貸出を始めました。
プログラムの内容は、… 続きを読む