知っておきたい法改正のポイント(第7回)

ビール業界は法改正で“暗黒時代”を脱却できるか?

2018.06.16 Sat連載バックナンバー

 日本ではいま「ビール離れ」が進行しています。発泡酒などを含むビール類飲料の出荷量は13年連続で減少しており、特に20代から30代の若い世代の消費が減少しています。

 そんな中、この2018年4月1日に、酒税法が改正されました。

 この改正によって、ビールの定義が新しくなり、今までは「発泡酒」に分類されていた商品が、「ビール」として売り出せるようになりました。飲料メーカーにとっては、ビール開発のバリエーションが広がるというメリットがあります。

 今回の法改正は、ビール業界にとって追い風となるのでしょうか? 何がどう改正されたのか、その詳細に迫ります。

 

「発泡酒」「まぜものビール」も「ビール」のカテゴリに

 今回の酒税法改正で、ビールの定義は以下の2点において大きく変わっています。

 第1に、ビールを定義する「麦芽比率」が大きく下がりました。改正前は、麦芽比率が67%以上のものをビール、それ以下のものを発泡酒と分類していました。しかし法改正によって、「麦芽比率が50%以上のもの」を、広くビールと定義するようになりました。

 第2に、ビールの原料として使える材料が追加されました。改正前は、ビールの主原料は麦芽、ホップ、水のみであり、副原料として使えるものは麦、米、とうもろこし等の8種類に限定されていました。つまり、風味としてレモン果汁を1滴でも垂らしてしまうと、ビールとして販売することはできず、このような“まぜものビール”は、発泡酒として販売されていました。

 それが法改正によって、ビールの副原料としてさまざまな果実や香味料を使うことができるようになりました。副原料は麦芽量の5%以内であれば、フルーツ果汁はもちろんのこと、昆布やワカメ、ハチミツ、味噌、ゴマ、ハーブ、お茶、コーヒー、ココアなども使えるようになりました。

 

40代は嫌っても、20~30代が好むビールがある

 こうした法改正によってビールの定義が広がったため、これまではビールではなかった“まぜものビール”が、ビールとして正々堂々と店頭に並ぶようになります。従来の正統派ビールを支持する人にとっては、抵抗があるかもしれませんが、こうしたまぜものビールは、… 続きを読む

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田中 靖子

田中 靖子

法律家ライター

東京大学卒業後、2009年に司法試験に合格。弁護士として知的財産業務、会社設立等のビジネス関連の業務を扱う。現在は海外に在住し、法律関連の執筆や講演を行っている。

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