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囲碁のAIは、今どこまで強くなっているのか?
2017.03.13

AIの最前線を知る

囲碁のAIは、今どこまで強くなっているのか?

著者 小島 沙穂

 2016年末、インターネット上で囲碁の対局ができるWebサイト「東洋囲碁」や「野狐囲碁」に、「Master」と名乗る謎の棋士が現れました。

 「Master」は世界ランク上位の棋士を次々に打ち破り、2つのサイトで合わせて60戦全勝という快挙を見せました。まるで漫画や映画のキャラクターのように現れた謎の棋士の正体について、ネットの囲碁ファンの間であらゆる憶測が飛び交いました。

 「Master」の正体は、グーグル・ディープマインド社が開発した囲碁AI「アルファ碁」の改良版であると、同社CEOのDemis Hassabis氏がツイッター上で発表しました。人間に追いつくにはあと10年はかかると業界で言われていたコンピュータ囲碁が、劇的な進化を示してみせたのです。

 なぜ囲碁AIはいま、急速に進化しているのでしょうか?その背景を見てみましょう。

 

学習により、さらに強くなる囲碁AI

 囲碁AIの開発は以前から進められていたものの、チェスや将棋に比べて囲碁は盤面が広く、打ち筋のパターンが10の360乗以上と膨大なため、コンピュータが計算して打つことは非常に困難だとされていました。

 本格的にコンピュータ囲碁の開発が始まったのは1970年前後。碁石を置く手筋が勝敗に与える影響力を、関数として計算していました。1990年代以降は、乱数を使ってシミュレーションし、最も勝率の高い1手を選んで打つ「モンテカルロ法」を用いた方式が登場。現在も主流となっています。

 そして2010年代後半、コンピュータ自らが学習するAI「ディープラーニング」の登場により、勝率を計算する能力が飛躍的に向上。特に、英国のディープマインド社が開発した「アルファ碁」は、囲碁界のみならず、AI関連の他分野にも衝撃を与えています。

 

実は、「アルファ碁」は囲碁のルールを知らない?

 アルファ碁は、現在の囲碁AIで最も精度の高いソフトだと言われています。2016年3月には、世界トップレベルの棋士である韓国の李セドル九段を4勝1敗で制す(棋譜)など、人類最強クラスの棋士に匹敵する力を付けてきています。

 実はこのアルファ碁、囲碁のルールや専門家の知識を覚えて対戦しているわけではありません。… 続きを読む… 続きを読む

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小島 沙穂

小島 沙穂

株式会社Playceに所属。大手電鉄グループ社内報の編集・ライティングを担当する。また、経営者や新規事業担当者をターゲットにした雑誌『事業構想』にて、連載「パイオニアの突破力」を執筆。アスリートに取材を行い、組織作りやセルフマネジメントのコツを聞き出している。http://www.playce.co.jp/

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