任天堂は、2017年3月3日に新たなゲーム機「Nintendo Swich」(ニンテンドースイッチ、以下NS)を発売します。
世界的に見れば、現在の家庭用ゲーム機業界は、ソニーの「PlayStation 4」(以下、PS4)とマイクロソフトの「Xbox One」のふたつがシェアの大部分を占めています。しかし、NSには、従来のゲーム機にはない多くの“新しさ”が盛り込まれています。
NSが持つ、ゲーム機としての“新しさ”とは何なのでしょうか?
家庭用・携帯用ゲーム機のどちらでもあるという“曖昧さ”
NSは、任天堂が5年ぶりに発売する新型ゲーム機です。据え置き型としては、2012年に発売した「Wii U」以来の商品となります。
しかしNSを、据え置き型の家庭用ゲーム機であるWiiシリーズの延長線に位置づけるのは、必ずしも正確ではありません。では、携帯用ゲーム機である「ニンテンドーDS」シリーズの延長線にあるのかというと、それも正確ではありません。
NSは、「家庭用ゲーム機」であるのと同時に「携帯用ゲーム機」でもあるというハイブリットな新機種であり、その“曖昧さ”こそが、NSを特徴づけるひとつなのです。
2016年10月、任天堂が公開した初公開映像にはこのようなシーンがあります。
男性が自宅の大型テレビの前でNSのゲームをしているとき、ペットの犬が散歩に連れて行けとねだる。そこで男性は、NS本体(NSコンソール)を、テレビに接続している「NSドック」から取り出し、それまで使用していたコントローラー(Joy-Con)を、本体左右の「Joy-Conグリップ」から外す。MS本体中央にはディスプレイがあり、コントローラーを装着させることで、携帯用ゲーム機となる。そして、広場でペットを遊ばせている間、男性は傍らのベンチで先ほどと同じゲームを楽しむ、というものです。
動画ではさらに、飛行機の座席テーブルの上にNSコンソールを立てかけワイヤレスリモコンでゲームを楽しむシーン、左右のコントローラーを2人がひとつずつ使用し、対戦ゲームを楽しむシーンなどが描かれています。
NSの最大の特徴は、こうした生活のさまざまなシーンに合わせて、ゲームが遊べる点なのです。
据え置き型の「家庭用ゲーム機」と、小型で持ち運びのできる「携帯ゲーム機」という2つのゲームのスタイルは、長らくゲーム業界に染み付いていました。NSは、この両者の垣根を取り払い、あえて“曖昧”なスタイルとすることで、屋内であろうと屋外であろうと、ひとつのゲーム機で同じゲームソフトを楽しむことができるという“自由な使い方”を提案しているのです。
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