高度成長期の時代、会社行事の一環として盛んに行われていた「社内運動会」が復活の兆しを見せている。運動会代行業務を行うイベント組織「運動会屋」によると、依頼件数は年々増加しており、毎年100件を超える依頼があるそうだ。
職場環境の変化や景気低迷などの影響を受けて、過去のものとなっていた社内運動会が、なぜ今になって再び注目されているのだろうか。
大手企業を中心に続々開催の兆し!社内運動会では何が行われているのか?
再び脚光を浴び始めている社内運動会だが、実際、どんな企業がどのような社内運動会を開催しているだろうか。まずは開催実例から紹介しよう。
最初の実例は大手アパレルメーカー「グンゼ株式会社」。こちらは家族参加型の社内運動会だ。会場は数百名規模の参加者にも対応できる地元の体育館を用意。プログラムには従業員だけでなく、子供向けの競技や催しも加えられている。参加者からは「家族同士を紹介し合える良い機会になった」「同僚が子供の急病で早退をする時に、その子供の顔も浮かぶようになり、配慮しやすくなった」といった声が挙がったという。
次の実例は、自動車部品メーカーの「デンソー株式会社」。こちらは予選から本選へと勝ち抜いていくピラミッド形式が特徴で、毎年1万4,000人もの社員が選抜を目指して自主練習に励む。そして“選ばれし者たち”が集まる本選では、綱引きや、チームでの大縄跳びなどチームワークが求められる競技が行われる。社長曰く、こうした競技によって培われた団結力が強い現場を作るそうだ。
冒頭でも紹介した「運動会屋」によると、社内運動会を開催した企業からは、「開催前よりも会社の雰囲気が明るくなった」といった感想をよく聞くという。代表理事の米司隆明氏は、同団体に社内運動会を依頼した企業のうち、約9割がリピート開催を希望しており、今後もますます社内運動会を開催する企業は増えるだろうと、ビジネス誌のインタビューで語っている。
社内運動会急増の理由とその効果は?
ではなぜ、社内運動会を開催しようと考える企業が増えたのか。その背景には、… 続きを読む