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「ロボアドバイザー」は日本で受け入れられるのか
2016.05.19

FinTechの到来 日本の金融の未来を考える

「ロボアドバイザー」は日本で受け入れられるのか

著者 下中 英恵

 ファイナンス(Finance、金融)とテクノロジー(Technology、技術)の2つを掛け合わせた「FinTech(フィンテック、金融技術)」というワードがビジネス界を賑わせている。

 FinTechとは、銀行や証券などの金融業界とIT業界が作り出す新しいビジネスのことを指すが、このFinTechで最近大きな注目を集めている「ロボアドバイザー」という存在をご存知だろうか。

 ロボアドバイザーとは、個人投資家のライフステージや運用目的などに合わせて、ポートフォリオ(どの金融商品をいくら保有したら良いかという保有割合)を自動計算して提供してくれるサービスのことである。もともとアメリカで誕生したロボアドバイザーだが、2016年2月には、株式会社お金のデザインが、ロボアドバイザーサービス「THEO(テオ)」を日本市場向けにスタートさせた。

 投資家の金融リテラシーのレベルやニーズなど、日本とアメリカの状況は大きく異なっている。アメリカ同様、日本でも受け入れられるのだろうか。アメリカの利用者の声を参考にしながら、日本におけるロボアドバイザーの未来を考えてみよう。

 

ロボアドバイザーはリーマン・ショックに対応できるのか

 ロボアドバイザーサービスを展開する企業としては、2008年にサービスを開始したBetterment(ベターメント)や 2011年にスタートしたWealthfront(ウェルスフロント)など、アメリカの企業が有名だ。

 こうしたサービスでは、投資家が年齢や扶養家族の人数、年収などのいくつか項目について回答すると、ロボアドバイザーが最適なポートフォリオを全自動で決定し、商品の売買を行うことができる。さらに金融機関の営業員に相談するよりも、手数料を4分の1程度まで抑えることが可能とあり、ここ最近預かり資産を着実に増やしている。たとえばBettermentは、「シンプルな金融商品や目標設定、そしてコストの安さから初心者でも簡単に投資が始められる」と利用者からの評判も上々だ。

 一方で、最近次々に登場する多くのサービスの中から、結果を出すロボアドバイザーをどのように選んだら良いのか、という投資家からの悩みの声も聞こえてくる。BettermentやWelthfrontなどの企業は、ロボアドバイザーのアルゴリズムを独自で開発しているため、どのサービスを利用するかで、最終的な運用パフォーマンスが変わってくる。

 また、ロボアドバイザーは資産運用のみを行うので、住宅ローンや保険など、家計について総合的に相談することができない。さらに、リーマンショックなどの急激な経済の変化に対応できるのかと、疑問視する投資家もいる。

 まとめれば、たとえ優秀なロボアドバイザーであっても、人間によるアドバイスのような柔軟性は備えておらず、まだまだ開発途上といったところだ。

 

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下中 英恵

下中 英恵

金融ライター

2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。富裕層向け資産運用業務に従事した後、現在は米国ボストンで活動中。資産運用や税制など多様なテーマについて、金融記事の執筆を行う。http://fp.shitanaka.com/

編集:岡徳之(Livit Tokyo)http://livit.media/

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