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がん治療の新しい形「マギーズセンター」とは?
2015.12.09

2人に1人ががんを抱える時代

がん治療の新しい形「マギーズセンター」とは?

著者 若林 朋子

 がんと診断された際、その後どういう対応をすれば良いか、冷静に判断するのは難しい。誰にとっても初めての経験である。早期であっても不安は大きく、治療で難しい決断を迫られることも多い。その上、再発した場合は更なるショックを伴うものだ。独りで向き合うには厳しい現実であり、がん患者とその家族の「決断をサポートする人・情報が集まる場」、重圧を和らげてくれる癒やしを得られる場所が不可欠である。

 これらの機能を備えた施設が、海外には存在する。それが英国発祥の「マギーズセンター」だ。日本でも「マギーズセンターをつくろう」という動きが起こっている。

 

がん患者が作った「自分を取り戻すための施設」

 マギーズセンターとは、患者とその家族が好きな時に訪問することができ、カウンセリングや栄養・運動の指導を受けたり、仕事や子育てについての相談、助成金や制度の活用についての情報を得たりすることができる施設のこと。スタッフはカウンセラーや医療関係者、ボランティアなどで構成されている。1996年に英国で「マギーズキャンサーケアリングセンター」として開設、2014年までに15カ所が運営され、現在も7カ所で設置準備が進められている。

 マギーズセンターの特徴は、いずれも著名な建築家が手掛けたユニークでデザイン性の高い建造物であることだ。インテリアや、同センターが携わる冊子・ポスターなどの印刷物にはポップな色が使われ、医療機関とは一線を画した明るく、親しみやすいイメージとなっている。

 たとえば、ロンドンの同センターは、病院の敷地内にあるにもかかわらず、外観はオレンジ色。中庭には植栽が施され、全体的に光が降り注ぐ明るいスペースに。オープンキッチンや、多目的の個室なども備え付けられている。これらは、同センターの創設に携わったマギー・ジェンクスさんが造園家であり、協力した夫が建築評論家だったことに関係する。「場の雰囲気」が安らぎをもたらしてくれるという考えから、コミュニケーションを助ける効果を狙ってのものなのだ。

 ジェンクスさんは、自身が乳がんで余命数カ月と医師に告げられた際、次の患者が診察を待っているという理由から十分な説明を聞くことができず、大きな不安に陥った。「がん患者が自分を取り戻すための空間が必要である」と痛感し、入院していた病院の敷地内の一角を借りて、患者向けの集いの場をつくる計画を進めた。ジェンクスさんは完成前に他界してしまったが、彼女の遺志は人々の共感を呼び、英国各地に彼女の名前(マギー)を冠したセンターがつくられるに至った。

 

「マギーズ東京」は来年春のオープンを目指す

 近年、日本でもマギーズセンターへのニーズが高まっている。… 続きを読む… 続きを読む

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若林 朋子

若林 朋子

ライター

1971年生まれ。元北國・富山新聞記者。在職中はスポーツ全般、教育、研究、医療などの取材を担当。2012年に退社し、雑誌・書籍・ネット媒体などで執筆している。興味がある分野はフィギュアスケート、高校野球、介護、児童福祉、北陸の文化・方言など。富山市在住。

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