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ファン待望の「iPad mini」復活から見えるアップルの悩み
2019.04.25

ケータイ業界の最新動向に迫る第64回

ファン待望の「iPad mini」復活から見えるアップルの悩み

著者 佐野 正弘

 アップルは2019年3月、第3世代の「iPad Air」と第5世代の「iPad mini」を立て続けに発表した。これらのシリーズは長らく後継機が登場していなかったので、今回の発売を喜ぶ声は多い。

 しかし、アップルの戦略を考えると、手放しでは喜べない状況も見えてくる。

 

異例の発表となった新iPad

 米国時間の2019年3月25日に実施された米アップルの発表会は、全てサービスに関する内容だった。一方で、例年発表の中心となっていたハードウェアに関しては、発表会の直前に新機種を五月雨式に発表するという、異例のお披露目となった。

 このイベントで発表されたのは、雑誌や新聞などを定額制で読める「Apple News+」、iPhoneで番号を管理する独自のクレジットカード「Apple Card」、高品質のゲームを定額で楽しめる「Apple Arcade」、そして定額制の映像配信サービス「Apple TV+」の4つだ。

 ハードウェアに関しては2019年3月18日に第3世代の「iPad Air」と第5世代の「iPad mini」、3月19日には「iMac」の新モデル、そして3月20日には第2世代の「AirPods」を発表。ハードウェアを先に発表してしまうことで、サービス重視を明確にする狙いがあったといえそうだ。

 だが、そうした中でも、大きな注目を集めたのがiPadの新機種だ。なぜならiMacとAirPodsは継続的に新機種が投入されているモデルであるのに対し、iPad Airは2014年、iPad miniは2015年に新機種が発売されて以降、長らく後継機が投入されていなかったからだ。

 中でもiPad miniは、ディスプレイが7.9インチと、最も小型のiPadであることから、根強いファンが多い。しかし、他のモデルと異なり、代替えとなるサイズのiPadが存在しないことから、後継モデルの不在に強い危機感を抱いていたユーザーも多かった。それだけに、iPad miniの後継の登場を喜ぶファンは多かったようだ。

 

途絶えていたシリーズの復活が続くが……

 ただその中身を見ると、必ずしも満足のいく内容とはいえないのも正直な所である。

 第3世代iPad Air、第5世代iPad miniともに、最新のiPhone「iPhone XS」などに搭載されているチップセット「Apple A12 Bionic」が搭載されたほか、第6世代iPad同様、新たにApple Pencilにも対応。第3世代iPad AirはSmart Keyboardにも対応しており、前モデルと比べ機能・性能面では強化が図られている。

 しかし一方でデザインに関しては、前機種からほとんど変わっていない。… 続きを読む… 続きを読む

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佐野 正弘

佐野 正弘

ライター

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著作:『Windows&iPhone連携テクニック Windows 8.1対応』(共著、インプレスジャパン)、『今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ 大事典』(共著、技術評論社)、『ポケット百科 Xperia arc 知りたいことがズバッとわかる本』(共著、翔泳社)など

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