CPUだけではない、多くの機能を備えたSoC

 コンピューターを構成する要素として欠かせないものの1つが、コンピューターの頭脳を司るCPU(Central Processing Unit、中央演算装置)だ。“手のひらのコンピューター”とも言われるスマートフォンにも、当然のことながらこのCPUが搭載されている。

 その代表例として、多くのスマートフォンに搭載されているクアルコムの「Snapdragon」シリーズが挙げられる。だが、これらは厳密に言うとCPUではなく、CPUの機能も備えた「SoC」と呼ばれるものなのである。

 SoCとは「System on a Chip」の略で、CPUだけでなく、さまざまな機能を1つのチップにまとめたものである。例えば、先に挙げたSnapdragonシリーズなどは、CPUの他に、グラフィック処理を司るGPUや、LTE通信をするためのモデム、ディスプレイやカメラ、GPSなどを制御する機能などが1つのチップにまとめられている。それゆえこれ1つを搭載するだけで、スマートフォンの機能の大部分を実現できてしまうのだ。

 なぜ複数の機能をまとめる必要があるのか。それはデバイスの小型化がしやすいからだ。スマートフォンのように小さなデバイスを開発する場合、内部のスペースが限られるため、搭載する部品数は少ない方が良い。CPUやGPUなどを1つずつ搭載するより、全てのパーツがまとめられたSoCを搭載した方が効率が良いのである。

 スマートフォン向けのSoCに搭載されているCPUには、「Cortex」シリーズが採用されており、いずれもソフトバンク傘下となった英ARMが設計している。Cortexシリーズは消費電力が少ないながらも高いパフォーマンスを誇るのが特徴で、スマートフォンだけでなくデジタル家電やIoT機器向けのSoCなどにも多く採用されている。

 

独自のSoC開発で、スマートフォンの機能を差異化

 先にも触れた通り、現在多くのスマートフォンでは、SoCにSnapdragonシリーズを採用していることが多い。そのため、クアルコムがスマートフォン向けSoCの最大手であることに間違いはない。

 しかし、他にも開発を行っている企業は存在している。台湾の聯発科技(メディアテック)という企業のSoCも、低価格のスマートフォンを中心に多く採用されている。

 そうした汎用のSoCをあえて用いず、自社で開発をするスマートフォンメーカーもある。その代表例が… 続きを読む

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佐野 正弘

佐野 正弘

ライター

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著作:『Windows&iPhone連携テクニック Windows 8.1対応』(共著、インプレスジャパン)、『今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ 大事典』(共著、技術評論社)、『ポケット百科 Xperia arc 知りたいことがズバッとわかる本』(共著、翔泳社)など

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