グーグル社からリリースされた新スマートフォン「Pixel 3」と「Pixel 3 XL」は、AIや検索機能といった同社が誇る技術が存分に活かされた製品として注目を集めている。他社製品にはない特徴を持つこのスマートフォンだが、そもそも、市場に投入したグーグルの狙いとは何なのか。Pixel 3シリーズに搭載されている機能を基に答えを探ってみる。
グーグルならではの技術を取り入れたPixel 3シリーズ
グーグルは11月1日、新スマートフォン「Pixel 3」シリーズを日本で発売した。同社製のスマートフォンが日本でリリースされるのは、2015年に投入された「Nexus 5X」「Nexus 6P」以来約3年ぶりとなる。
Pixel 3シリーズは5.5インチサイズの「Pixel 3」と、6.3インチサイズの「Pixel 3 XL」があり、発売前から大規模なプロモーションを実施するなど、グーグルが両機種を積極的に販売していこうという様子がうかがえる。
確かにPixel 3/3XLは、有機ELディスプレイや、性能の高いクアルコム製のチップセット「Snapdragon 845」を搭載するなど、スペックを見ると高い性能を備えているし、ツートンカラーのデザインも特徴的だ。
一方で、デバイスとして比べた場合、最近のハイエンドスマートフォンと大きな違いがあるわけではない。しかし実際に使ってみると、グーグルが持つ最新技術をふんだんに取り入れたことで非常に個性的なスマートフォンに仕上がっていることが分かる。
では一体、Pixel 3/3 XLは他のスマートフォンと比べどのような点に違いがあるのか、それによってグーグルは何を狙っているのかを解説していこう。
Pixel 3/3 XLの特徴の1つは、最新のAndroidである「Android 9 Pie」があらかじめ搭載されおり、今後も最新のAndroid OSにいち早くアップデートされること。これはNexusシリーズから続くグーグル製スマートフォンの大きな特徴でもあり、いち早く最新のOSを利用できる、アプリ開発者などにとっては待望の要素でもある。
だがPixel 3/3 XLはかつてのNexusシリーズとは異なり、単に最新のAndroidが使えるスマートフォンという位置づけにとどまらない。他にもグーグルならではの技術を取り入れ、スマートフォンをより便利にする機能やサービスを実現しているのである。
AI技術をフル活用した充実のカメラ機能
その最たる例がカメラだ。この機能に関しては各メーカーともに力を入れており、最近では1つのスマートフォンに複数のカメラを備えて差異化を図る商品も少なくない。
Pixel 3/3 XLに搭載されているのは、1200万画素のものが1つと、ハード的に見ればそれほど優れているようには見えない。しかしながらそこにグーグルの技術を取り入れることで充実した機能を備えているのだ。
その1つが… 続きを読む