ケータイ業界の最新動向に迫る(第54回)

ケータイ“4年縛り”が生まれた真の理由とは

2018.08.08 Wed連載バックナンバー

 ここ最近、携帯電話業界では「4年縛り」という言葉が注目されている。携帯キャリアがこれまで施策してきた「2年縛り」とは対照的に、多くの携帯ユーザーにとってまだ馴染みのないこのサービスは、果たしてどのようなものなのか。そして今、行政が最も問題視している事実とは何か?

 

4年間の割賦を前提とした購入プログラムが問題に

 携帯電話業界で注目されるようになった「4年縛り」という言葉。ユーザーに2年間の長期間契約を結んでもらう代わりに毎月の携帯電話料金を安くする、いわゆる「2年縛り」についてはご存じの方も多いだろうが、4年縛りはその言葉通り、2年縛りより長期間ユーザーの契約を縛る要因になるとして、行政から厳しい目を向けられている。

 実際、総務省のICTサービス安心・安全研究会が、2017年12月から18年4月まで実施していた「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」では、この4年縛りが大きな問題の1つとして取り上げられていた。また公正取引委員会も、18年6月28日に公表した「携帯電話市場の競争政策上の課題について」において、4年縛りが「利用者のスイッチングコストを高める行為」の1つになるとして、やはり問題視している。

 だが、4年縛りという言葉が登場したのはここ最近のことであるし、2年縛りとは仕組みが大きく異なる上、全てのキャリアが導入している訳ではない。それゆえ4年縛りとは一体何のことなのか、よく分からないという人も意外と多いのではないだろうか。

 4年縛りについて簡単に説明すると、スマートフォンを4年間の割賦を組んで購入してもらう代わりに、2年後に新しいスマートフォンに買い替えた際に、残り2年分の割賦残債の支払いが無料になる。つまり、端末を買いやすくするプログラムのことを指している。具体的にはKDDI(au)の「アップグレードプログラムEX」や、ソフトバンクの「半額サポート」などがこれに相当する。

 最近のスマートフォン、特にiPhoneなどのハイエンドモデルは10万円以上するものも存在するなど、非常に高額だ。4年縛りと呼ばれるプログラムは、そうした高額なスマートフォンを購入しやすく買いやすくするために生み出された仕組みであり、スマートフォンを実質的に半額で購入できることもあってか、ここ最近人気が高まっている。

 

4年縛りは半永久的な縛りをもたらす?

 行政側が4年縛りを問題視している理由は至ってシンプルである。一度4年縛りのプログラムを契約したユーザーは、… 続きを読む

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ケータイ“4年縛り”が生まれた真の理由とは
佐野 正弘

佐野 正弘

ライター

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著作:『Windows&iPhone連携テクニック Windows 8.1対応』(共著、インプレスジャパン)、『今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ 大事典』(共著、技術評論社)、『ポケット百科 Xperia arc 知りたいことがズバッとわかる本』(共著、翔泳社)など

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