ケータイ業界の最新動向に迫る(第48回)

楽天が困難なケータイ事業にチャレンジする理由

2018.02.24 Sat連載バックナンバー

 2017年12月14日、楽天は2018年の割り当てが予定されている4G用の周波数帯獲得に名乗りを上げ、携帯電話事業者に参入することを表明した。MVNOによる「楽天モバイル」で順調に事業を拡大している楽天だが、携帯電話事業は巨額のインフラ投資が必要で、今から参入しても成功する確率は低いと見る向きが多い。

 にもかかわらず、なぜ楽天は携帯電話事業に参入しようとしているのだろうか。

 

第4のキャリアになることを表明した楽天

 昨年末の12月14日、驚きの発表があった。それはEコマース大手の楽天が、携帯電話事業への参入を表明したことである。

 楽天の発表によると、同社は今年、総務省が現在主流の第4世代携帯電話システム(4G)向けに割り当てを実施する予定とされている、1.7GHz帯と3.4GHz帯の割り当てに申請することを表明。電波の割り当てがなされた場合は新会社を設立し、2019年より携帯電話事業者としてサービスを開始、1,500万人以上のユーザー獲得を目指すとのことだ。

 確かに楽天は、NTTドコモからネットワークを借り、MVNOとしてモバイル通信サービス「楽天モバイル」を提供、140万を超える契約を抱えるMVNO大手となっている。だがMVNOはあくまでお金を借りてネットワークを借りる立場であるため、利用できるネットワークの帯域幅、要するに回線の太さに制約がある。それゆえ大手キャリアと比べると混雑する時間帯に極端に通信速度が落ちるなど、サービスの充実を図る上で限界があるのも事実だ。

 しかも楽天のサービスの多くは、現在スマートフォンから利用される傾向が強まっている。楽天モバイルのユーザーが、時間帯によっては楽天のサービスを快適に利用できないとなると、楽天のサービス全体の不満にもつながってしまう。そうしたことから自らネットワークを敷設してキャリアとなり、スマートフォンとネットワークに関する問題を解消したいという考えは理解できる。

 だが今回の楽天の携帯電話事業参入に関しては、否定的な見方が圧倒的多数を占めている。その理由は、… 続きを読む

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佐野 正弘

佐野 正弘

ライター

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著作:『Windows&iPhone連携テクニック Windows 8.1対応』(共著、インプレスジャパン)、『今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ 大事典』(共著、技術評論社)、『ポケット百科 Xperia arc 知りたいことがズバッとわかる本』(共著、翔泳社)など

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