昨年1月に総務省が打ち出した「モバイルサービスの提供条件・端末に関する指針」を受け、大手キャリアが昨年12月までの間に、SIMロック解除に関するルールを変更している。端末を分割払いで購入した場合は101日目以降、一括払いで購入した場合は即日SIMロックを解除できるようになった一方、購入者以外はSIMロックを解除できなくなった。

 このような変更が加えられたのはなぜだろうか?

 

101日目以降解除できるが購入者限定に

 プラスワン・マーケティングの経営破たんや楽天の携帯電話事業参入など、大きなニュースが相次いだ昨年12月。実は密かに、携帯電話のSIMロック解除に関するルールの変更がなされていたことはご存じだろうか。

 SIMロックについて改めて説明すると、特定の事業者のSIMカードが挿入された時だけ利用できるよう、端末に制限をかけること。この制限を解除し、他の事業者のSIMカードを挿入して利用できるようにするのがSIMロック解除で、例えばNTTドコモで購入したスマートフォンのSIMロックを解除すれば、auやソフトバンク、あるいは他のMVNOで利用できるようになるほか、海外で現地のプリペイドSIMを利用することで、国際ローミングより安価にスマートフォンを利用できるようになる。

 このSIMロック解除は、日本では2015年5月より義務化されている。それゆえ現在は、所定の条件を満たし、手続きを踏みさえすれば、誰でも購入したスマートフォンのSIMロック解除ができるようになっているのだ。

 SIMロック解除に関してはこれまでにも何度かルールが変更されているのだが、今回のルール変更は、昨年1月に総務省が策定した「モバイルサービスの提供条件・端末に関する指針」の中にある、「SIMロック解除の円滑な実施に関するガイドライン」に基づいて実施されたもの。これは、2016年に総務省のICTサービス安心・安全研究会が実施した「モバイルサービスの提供条件・端末に関するフォローアップ会合」の結果を受けて定められたものである。

 1つ目の大きな変更点は、SIMロック解除ができるまでの日数に関するものだ。SIMロック解除は従来、端末購入から180日が経過して以降、SIMロック解除ができるようになっていた。だが新しいガイドラインではその日数が短縮され、端末を割賦で購入した際は、購入日から100日を超えた場合、つまり101日目以降、一括で購入した場合は即日SIMロックを解除できるようになったのである。

 そしてもう1つ大きな変更点となるのは、SIMロック解除できるのが契約者本人に限定されること。従来は本人限定であったり、誰でも解除できたりするなど、キャリアによってまちまちの対応となっていたのだが、今回のルール変更によって本人しか解除できないこととなったのである。

 実際KDDIは、このガイドラインに合わせる形で12月1日にSIMロック解除のルールを変更。従来は購入者以外以外でもSIMロック解除できたのが、12月1日以降は購入者以外解除ができなくなっている。

 

SIMロック解除推進と「踏み倒し」とのせめぎ合い

 しかしなぜ、このようなルール変更がなされたのだろうか。その理由は、… 続きを読む

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佐野 正弘

佐野 正弘

ライター

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著作:『Windows&iPhone連携テクニック Windows 8.1対応』(共著、インプレスジャパン)、『今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ 大事典』(共著、技術評論社)、『ポケット百科 Xperia arc 知りたいことがズバッとわかる本』(共著、翔泳社)など

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