ケータイ業界の最新動向に迫る(第46回)

iPhoneはむしろAndroidを後追いしている

2017.12.25 Mon連載バックナンバー

 大画面の有機ELディスプレイや、顔による認証システム「Face ID」などを備えた「iPhone X」が、先進性と完成度の高さから、現在も品薄傾向にあるなど高い人気を博している。だが実は、1つ1つの機能を見ると、実は他社のAndroidスマートフォンの方が優位性を持っていることが多い。

 

iPhone Xは品薄が続く大ヒットモデルに

 11月3日に発売された「iPhone X」の販売が好調だ。iPhone Xは従来のiPhoneと大きく異なる新機軸を打ち出したモデルであり、ホームボタンを廃止する代わりに画面が18:9に近い縦長比率の有機ELディスプレイを採用。指紋認証の「Touch ID」に代わり、AIを活用した顔を用いた新しい認証システム「Face ID」を導入するなど、従来とは大きく異なる新機軸を打ち出したことが、大きな注目を集める要因となった。

 実際iPhone Xは、予約開始当初から予約が殺到するなど入手が困難な状況が長く続いた。当初ほどではないものの現在も品薄傾向が続いており、その人気ぶりをうかがい知ることができる。従来モデルを踏襲した「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」の販売があまり伸びていなかったことを考えると、いかにiPhone Xに人気が集中しているかを見て取ることができよう。

 その影響はアップルの業績予想にも表れている。アップルの2017年度第1四半期(2016年10〜12月期)の売上高は784億ドル(約9億円)であったが、2018年度第1四半期(2017年10〜12月期)の売上高は840億〜870億ドル(約9.5〜10兆円)と大幅にアップすると予測しているのだ。iPhone Xは最も安価な64GBのモデルであっても、Apple Storeでの販売価格が11万2,800円と非常に高額なだけに、そのiPhone Xの販売好調が、アップルの売上増に大きく貢献しているのは確かだろう。

 iPhone Xがこれだけ販売を伸ばしたのには、やはり従来のiPhoneが、「iPhone 6」以降デザインや機能面で大幅な進化が見られず、マンネリ感を抱く人が増えていたからではないかと考えられる。たとえば昨年発売された「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」は、日本人からしてみればFeliCaの搭載でApple Payが利用できるようになったり、耐水・防塵性能を備えたりするなど大きな進化があったものの、それ以外の国の人達にとってそれらの機能はあまり注目すべきものではなく、むしろイヤホン端子がなくなるなどのネガティブな面が大きく取り沙汰されていた程だ。

 そうしたことから、iPhoneの象徴でもあったホームボタンを廃止するなど大幅なリニューアルをしたiPhone Xの人気が一層高まったといえるだろう。中でも世界で最もiPhoneの人気が高い日本では、現在iPhone Xの人気が突出しているように見える。

 

実は技術面ではAndoridスマートフォンが先行

 しかしながら、iPhone Xを構成する個々の要素を見ていくと、実は目新しい要素はそれほど多くなく、他社のAndroidスマートフォンが実現しているものが多いというのも、また事実である。そのことを象徴しているのが、… 続きを読む

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佐野 正弘

佐野 正弘

ライター

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著作:『Windows&iPhone連携テクニック Windows 8.1対応』(共著、インプレスジャパン)、『今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ 大事典』(共著、技術評論社)、『ポケット百科 Xperia arc 知りたいことがズバッとわかる本』(共著、翔泳社)など

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