MVNOなどによる格安なモバイル通信サービスの人気が高まっているが、それらを利用するユーザーへの調査を見ると、スマートフォンの通信費を劇的に下げられることが高い満足度の要因となっているようだ。
だが一方で、サポートや通信速度に関しては不満を抱く人が多く見られるなど、今後の普及に向けた課題も見て取ることができる。
価格に対する満足度は非常に高い
キャリアからネットワークを借りてサービスを提供するMVNOや、大手キャリアのサブブランドが展開する“格安”な通信サービス。毎月のスマートフォンの通信料を大手キャリアのおよそ3分の1にまで下げられるという安さから、ここ数年のうちに急速に人気を集めているというのは、多くの人がご存じの通りだ。
その勢いに乗じて格安なサービスを提供する企業は急速に数を増やし、現在ではMVNOだけで600社を超える規模となっている。それゆえ格安サービスの中でも、利用者数やサービス内容、通信品質などさまざまな面で差が出てきており、最近ではいくつかの調査会社が、格安サービスの市場動向調査を実施するようになった。
そこで今回は、J.D.パワー アジア・パシフィックが5月24日に報道発表した「2017年格安スマートフォンサービス/格安SIMカードサービス顧客満足度調査」から、MVNOやソフトバンクのワイモバイルブランドなどの“格安”なサービスが、ユーザーから現在どのような評価を受けているのかを見ていこう。
まずは、格安サービスの利用者が大手キャリアから乗り換えて満足しているのか、という点だが、大手キャリアから乗り換えた人の6割が「良くなった」と評価したとしている。
中でも最も満足度が高い要因は、やはり価格の安さになるようだ。費用面では7割以上の利用者が「良くなった」と評価しているという。格安サービスが大手キャリアと比べ圧倒的な安さを実現しているのに加え、乗り換えによって自分に適切なデータ通信容量を選ぶようになったことも価格面での満足度につながっていると、同調査では触れられている。
これは裏を返せば、それだけ大手キャリアの料金に大きな不満を持っていた人達が多くいたことを示しているともいえそうだ。
通信速度とサポート体制には不満
だが一方で、各種調査では利用者の満足度が低い部分も見えてくる。その1つは… 続きを読む