ソフトバンクが新料金プラン「ギガモンスター」を打ち出して以降、大手キャリアやMVNOなどが相次いで、20GBもの高速通信容量が月額6,000円で利用できるデータ定額サービスを打ち出している。これまで高額だった大容量のサービスを、事実上値下げする形で提供する狙いはどこにあるのだろうか。
iPhone 7/7 Plusの発表を機に登場したプラン
9月7日(米国時間)に発表され、9月16日に発売された、アップルのiPhone新機種「iPhone 7」と「iPhone 7 Plus」。ボディデザインこそ前機種と変わってはいないものの、FeliCaを搭載し日本でもApple Payが利用できることや、耐水・防塵性能を備えたこと、イヤホン端子を排したことなど、さまざまな変化がもたらされた。これら両機種が発表から大きな話題を呼んでいるのは、多くの人がご存じの通りである。
発売後も好調なiPhone 7/7 Plusだが、実はその発表に合わせて、もう1つ注目すべき大きなサービスの発表がなされている。それは、ソフトバンクが9月8日に発表したデータ定額サービス「ギガモンスター」だ。
ギガモンスターは、月額6,000円で20GB、月額8,000円で30GBの高速通信容量が利用できるサービス。従来データ定額サービスとしては標準的なプランとされてきた「データ定額パック・標準(5)」が、高速通信容量が5GBで月額5,000円であったことを考えると、1,000円プラスするだけで高速通信容量が4倍になることから、非常にお得なプランであることが分かる。

そのお得さゆえ、ギガモンスターは発表直後から大きな注目を集めた。そしてその翌日の9月9日にはKDDI(au)が「スーパーデジラ」、9月13日にはNTTドコモが「ウルトラパック」と、他の大手2キャリアも相次いで同様のデータ定額サービスを発表。これによって高速通信容量のスタンダードは、5GBから20GBへと大幅にアップしたといえる。
その影響はMVNOにも及んでいる。9月30日にはイオンが運営する「イオンモバイル」が高速通信容量が20GBを超えるプランの月額料金を相次いで値下げしたほか、10月27日には楽天の「楽天モバイル」が月額4,750円で20GBの高速通信容量が利用できる大容量プランを増設。キャリアだけでなく、MVNOも相次いで大容量プランの提供に舵を切り始めているようだ。
だが裏を返すと、これらの施策は… 続きを読む