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携帯電話の通話料はなぜ定額になったのか?
2015.11.09

ケータイ業界の最新動向に迫る第2回

携帯電話の通話料はなぜ定額になったのか?

著者 佐野 正弘

 昨年、NTTドコモが新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」を導入して以降、各キャリアが次々と“通話し放題”の料金プランを導入している。その影響を受けてNTTドコモは大幅な減収を記録するなどの“痛み”も伴っているようだが、キャリアはなぜそこまでして、通話し放題の料金プランを打ち出したのだろうか。

 携帯電話からスマートフォンへの移行にともなう収益構造の変化などにも注目しつつ、通話料定額の料金プランが急増した理由を紐解いていく。

 

急増した通話料定額の料金プラン

 これまで携帯電話の通話料は、「通話しただけかかる」というのが一般的であった。だが2014年6月に、NTTドコモが“通話し放題”をうたう新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」を提供して以降、auが「カケホとデジラ」、ソフトバンクが「スマ放題」と、同様の料金プランを導入。携帯電話は“通話し放題”が当たり前という状況にもなりつつある。

 改めて各キャリアの“通話し放題”プランについて説明すると、これは月額2,700円を支払うことで、ごく一部の特定用途向けの通話を除き、ほぼ全ての国内通話がし放題になるというもの。これまで“同じキャリア同士は通話し放題”、“10分間だけ通話が無料”といったサービスは存在したが、通話料が固定・携帯を問わず、どの番号にかけても基本料以上の料金がかからないというのは、通話を頻繁にする人にとって大きなメリットとなることは間違いない。

 しかしながら音声通話の仕組みを考慮した場合、ユーザーが自キャリア以外の相手に通話した場合、キャリアが相手の事業者に対してアクセスチャージを払う必要があるし、その仕組みは現在も大きく変わっていない。にもかかわらず、通話し放題にして採算が合うのだろうか、という疑問は、多くの人が持つところであろう。

 ではなぜ、携帯電話キャリアは通話し放題のプランを提供するに至ったのかというと、これはユーザーの携帯電話の利用動向変化により、ビジネスモデルの転換が求められていたことが大きい。

 

音声からデータ通信重視の戦略に

 携帯電話は元々通話をするツールであり、キャリアはユーザーが通話した際に発生する通話料で収入を得るビジネスを展開してきた。だが… 続きを読む… 続きを読む

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佐野 正弘

佐野 正弘

ライター

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著作:『Windows&iPhone連携テクニック Windows 8.1対応』(共著、インプレスジャパン)、『今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ 大事典』(共著、技術評論社)、『ポケット百科 Xperia arc 知りたいことがズバッとわかる本』(共著、翔泳社)など

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