LCCが普及して旅行のスタイルが大きく変化した。安く海外に行けるようになったとかチケットの選択肢が増えたといった直接的な効果だけでなく、旅行経験のない人を旅立たせたり、これまで選択肢に入らなかった行き先に顧客を導いたりと、旅行そのものを変えつつある。
今回はLCCが進めている航空・旅行革命を探究する。
なぜLCCの航空券は安いのか?
LCCは “Low Cost Carrier” の略で、その名の通り低料金を売りにしたエアラインのこと。実際、既存のエアライン=FSC(Full Service Carrier)と比べてどれほど安いのだろう?
この記事を書いている3月21日時点で、6月の金~日曜日にかけての週末旅行のために東京-香港の往復航空券を検索してみよう。公式サイトで調べると、JALやANAのようなFSCが4万~5万円であるのに対し、香港エクスプレスやバニラエアといったLCCは2万円台前半からとなっている。片道航空券の場合、FSCの十数万円といった高値に対し、LCCは往復料金の半額程度で、1万円を切るものもある(時期や条件によって値段は大きく変化する)。
日本の国内線運賃についても、2014年の国土交通省の調査では、首都圏発着FSCの下限運賃(平均)が幹線で16,550円、LCCは5,965円、地方路線についてはFSCが24,396円でLCCが6,652円と、大きな差がついている。
一般的にLCCの運賃はFSCの半額程度と言われるが、どうしてこのような低価格が実現できるのだろう?… 続きを読む