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落ちこぼれ社員をフォローしすぎると、組織はダメになる
2019.10.17

マネージャーの極意第6回

落ちこぼれ社員をフォローしすぎると、組織はダメになる

著者 八木 昌実

 組織には必ずと言っていいほど、優秀な社員と落ちこぼれ社員がいます。彼らを管理するマネジャーとしては、優秀な社員は放任で伸び伸びと仕事をしてもらい、自分は落ちこぼれ社員のフォローに力を注ぐ、という接し方もあるでしょう。

 しかし、プルデンシャル生命保険で支社長などを歴任してきた八木昌実氏は、「できが悪い社員のパフォーマンスを上げようと躍起になるほど、組織全体の成果が下がる危険性がある」と指摘します。

 それはなぜなのか。そして、落ちこぼれゾーンの社員にはどう向き合うのが正解なのか。マネジャーとして正しく割り切る方法と、大化けする可能性を秘めた「原石社員」の見つけ方を八木氏が話します。

 

落ちこぼれゾーンの人に力を入れると組織力が下がる

 組織はよく、「2:6:2」で分けられるといいます。できる人2割(Aゾーン)、中間が6割(Bゾーン)、そして結果が出ていない人たちが2割(Cゾーン)です。

 さて、あなたがマネジャーなら、どのゾーンの社員教育に力を注ぐでしょうか?

 プルデンシャル生命にいた頃、組織全体の売り上げに対して、どのゾーンがどのくらい貢献しているのかをデータ化したことがあります。結果、Cゾーンの社員の成果が売上高全体に占める割合は、わずか2%でした。

 新米マネジャーがよくやる過ちは、このCゾーンのサポートに力を注ぐことです。実際、私がそうでした。マネジャーになりたての頃、チーム全体の成績を伸ばそうとCゾーンのトレーニングに腐心しました。しかし、心血を注いでも組織全体の成績は一向に上がりません。

 そして気づきました。たとえCゾーンの売り上げが倍増したとしても、組織全体で見たら2%のアップに過ぎず、大したインパクトにはならないのです。

 この経験から学んだのは、「落ちこぼれ社員の育成に力を入れ過ぎない」と割り切ることの大切さでした。Cゾーンの人たちは、組織の中で最も苦しそうなので、つい「助けてあげたい」という感情が湧いてきます。つらそうな人に声をかけたくなるのは、人間の本能と言ってもいいでしょう。しかし、組織においては、必ずしも正しい選択とは言えません。

 課題満載の社員たちを変えるには、膨大なエネルギーと時間が必要です。Cゾーンのフォローに躍起になっていると、他の人たちの指導に手が回らなくなります。そして、やる気があった人たちから脱落者が出てきて、全体のパフォーマンスが落ちます。これでは、組織全体を率いるマネジャーとして失格です。

 

「Cゾーン」から光る原石を見つける方法

 もちろん、Cゾーンの人たちに対しても、ある程度の管理は必要だと思います。放ったらかしにすると、ネガティブな空気が広がり、組織の雰囲気が悪くなるからです。

 しかし、最低限の管理をしたら、あとは自己責任だという認識でいいと思います。

 あえてフォローはしません。悔しければ、自力でBゾーンまで上がってくればいいのです。こう割り切ることで、私はチームを強化し、組織全体の売り上げを伸ばしました。シビアではありますが、マネジャーにとって欠かせない判断の一つと言えるでしょう。

 とはいえ、Cゾーンの人たちの中にも、わずかではありますが「磨けば光る存在=原石」が眠っています。… 続きを読む… 続きを読む

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八木 昌実

八木 昌実

1959年大阪府生まれ。89年、プルデンシャル生命保険株式会社に入社。わずか入社1年半で全国約1000人の営業トップに。その後、営業所長、支社長、執行役員常務、執行役員専務を経て、ジブラルタ生命保険株式会社執行役員専務、AIGエジソン生命保険株式会社代表取締役副社長、プルデンシャル米国本社国際保険部門のシニア・バイス・プレジデントを歴任。2017年に株式会社エイトウッズ、株式会社エイトウッズスターリゾートを設立。著書に『マネジャーとして一番大切なこと』(ダイヤモンド社)。

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