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「採用してはいけない人」を見分ける、たった1つのコツ
2019.08.25

マネージャーの極意第5回

「採用してはいけない人」を見分ける、たった1つのコツ

著者 八木 昌実

 採用面接の際、面接官は応募者の経歴はもちろん、潜在能力や自社にフィットしそうかなどを多面的に見て、採用するかを総合的に判断します。相手の本質を見極める能力が高い人ほど、採用のプロといえるでしょう。

 プルデンシャル生命保険で支社長などを歴任し、数多くのトップ営業マンの採用に携わった八木昌実氏も、採用のプロの一人です(前回参照)。ですが過去に1度だけ、採用面接で「騙されかけた」ことがあるといいます。

 八木氏は、「応募者の中には、『面接を受けるプロ』がいるのも事実」と話します。面接官はどんな応募者に騙されやすいのか。失敗経験をベースに、裏がありそうな人を見分けるコツと、騙されにくい環境の作り方を、八木氏が語ります。

 

応募者のなかには「面接を受けるプロ」もいる

 人材を採るときに大事なことは、面接官によって採用方針がブレないようにすることです。誰が面接をしても同じ基準で応募者を計れる仕組み作りこそ、一定レベル以上の人材を採用し続ける秘訣です。

 プルデンシャル生命では、応募者には必ずSPIをベースとした基礎能力テストを受けてもらいます。頭がいい人を採るためではなく、あくまで客観的にその人の特性を測るためです。テストの結果を分析し、社内で活躍している社員に近い特性の人を優先的に採用します。

 しかし、応募者のなかには「面接を受けるプロ」がいるのも事実です。そういう人は、データや面接で「優秀だ」「努力家だ」「胆力がある」と判断されるように演じるのがとにかくうまい。実際、私も過去に1度だけ、騙されかけたことがありました。

 ある日の面接でのことです。SPIと履歴書、面接での立ち居振る舞いを見る限り、「当社で必ず成功する」と思わずにはいられない人材がいました。私を惹きつけた応募者が提示したのは、こんなプロフィールでした。

・幼くして両親が離婚し、女手一つで育てられた
・独学で猛勉強し、国内最難関の国立大学に入学
・家族の経済状況を考えて中途退学し、大手の製薬会社に就職。同社の売り上げ拡大に貢献する
・より活躍できる場を求めて先物取引会社に転職し、業績を大幅に伸ばして今に至る

 応募者の話からは、経済的に苦労しながらも、努力と胆力で道を切り拓いてきた人物だというメッセージが強く残りました。逆境から這い上がる力を持っていて、かつ「仕事で成功して、苦労をかけた親を幸せにしたい」といった思いがある人ほど、困難な局面でも努力し続けられます。テストの結果も申し分なし。私はすっかり彼のことが気に入ってしまいました。

 しかし、同じ部署のスタッフから「待った」がかかりました。… 続きを読む… 続きを読む

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八木 昌実

八木 昌実

1959年大阪府生まれ。89年、プルデンシャル生命保険株式会社に入社。わずか入社1年半で全国約1000人の営業トップに。その後、営業所長、支社長、執行役員常務、執行役員専務を経て、ジブラルタ生命保険株式会社執行役員専務、AIGエジソン生命保険株式会社代表取締役副社長、プルデンシャル米国本社国際保険部門のシニア・バイス・プレジデントを歴任。2017年に株式会社エイトウッズ、株式会社エイトウッズスターリゾートを設立。著書に『マネジャーとして一番大切なこと』(ダイヤモンド社)。

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