組織のマネジメントにおいて最も重要なのが、ゴールの設定です。多くのマネジャーは、「会社から与えられた目標」をゴールに、その具体的な数値目標をチームのメンバーに伝えていることでしょう。
しかし、プルデンシャル生命保険などで25年間、「落ちこぼれチーム」を立て直し続けた八木昌実氏によると、これは間違った考え方といいます。
なぜ、会社が目標とする数値をゴールとして、チームで共有するのはダメなのか? 逆に、正しいゴールとは一体何なのか? 部下がモチベーションを維持しながら結果を出す秘訣を、八木氏が伝授します。
「死んだ数字」では部下を動かせない
マネジャーがまず肝に銘じるべきなのは、「会社から降りてきた数字を部下に降ろさない」ことです。会社から与えられた目標は、会社全体の目標から逆算し、組織やチームに割り当てられただけの数字であることが大半です。例えば、全社の売り上げ目標が対前年で110%の場合、組織やチームの目標も往々にして110%になります。
私はこれを「死んだ数字」と呼んでいます。部下を動かす、生きた数字ではないということです。にもかかわらず、現状把握もせず、この数字を部下にそのまま伝えているマネジャーが多いのが現状です。「会社が掲げた目標なのだから、やるしかない」。これでは、部下が納得するわけがありません。
私ならまず、部下にこう伝えます。… 続きを読む