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業務量は正確に予測できる! コールセンターの2つのデータを準備する
2019.02.21

AI時代を生き抜く「本物」のコールセンター運営法第3回

業務量は正確に予測できる! コールセンターの2つのデータを準備する

著者 熊澤 伸宏

 コールセンターの業務量を予測するためには、その前提として 、コール数(仕事の数量)と平均処理時間(作業負荷)から成る、一定の時間内に処理すべき仕事の量をあらわす「ワークロード」という概念の考え方と、「コール数」そのものが何を指すのかを、正しく理解しておくことが必要です。

 そのことについては前回の記事で詳しく説明しましたが、今回は、業務量の予測に不可欠な2つの基礎情報である「ヒストリカルデータ」と「ビジネスドライバー」について、事例を交えて解説します。

 

ヒストリカルデータとは

 ヒストリカルデータとは、コールセンターのワークロードを構成するコール数や平均処理時間の「過去の実績データ」のことです。

 販売計画や予算編成など、企業内における多くの予測作業と同じように、コールセンターのワークロードも、まずは過去の実績をベースにした予測を立てます。ただし、過去の実績データを“生のまま”で使うことはできません。そこには、さまざまなイレギュラーな要素が含まれているからです。

 したがって、ヒストリカルデータを使うには、それらを取り除き、予測に“使える”データに整えるための検証作業が必要なのです。

 ヒストリカルデータの検証は、次の手順で行います。

(1) イレギュラーな値や事象を見つける

(2) イレギュラーな値や事象の原因を特定する

(3) イレギュラーな値や事象を「恒常的事実」と「一時的事実」に分類する

(4) 「一時的事実」による実績値をノーマライズ(平常値に調整)する

 

コール数のヒストリカルデータを検証する

 まずは、コール数のヒストリカルデータの検証事例から見てみましょう。 表1は、あるコールセンターの10~11月のコール数の実績をカレンダー形式で示しています。

表1:コール数のヒストリカルデータを検証する

 この実績値からイレギュラーな値や事象を見つけ出し、その原因を特定し整理すると、以下のように分類することができました。

【恒常的事実】

– 毎週明けの月曜日が1週間のピークで日曜日にかけてコール数が減少

– 祝日のコール数は日曜日並み

– 祝日の翌営業日のコール数は月曜日並み

– 12月最終週のコール数は、28日の公務員仕事納め以後、年末にかけて減少

– 12月31日は年末臨時休業

 

【一時的事実】

– 10月21日にマーケティング部がキャンペーンのDMを発送。翌22日から顧客に届き始め、コールセンターへのレスポンス(問い合わせ)が発生。週明けの24日に通常の月曜日のピークと重なりコール数が激増。以後、1週間にわたってDMのレスポンスが影響しコール数が増加した。

– 11月10日にシステムダウンが発生し3時間にわたりオペレーションが中断。その反動で、翌日のコール数が通常の金曜日より増加した。

 この検証で判明した事実のうち、「恒常的な事実」については、毎年同じように発生する事象のため、そのまま翌年以後の予測に反映させます。

 その際、気を付けなければならないのが、… 続きを読む… 続きを読む

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熊澤 伸宏

熊澤 伸宏

コールセンターの教科書プロジェクト https://cc-kyokasho.jp/ 主宰/ひるぎワークス 代表

アメリカン・エキスプレスをはじめとして約30年にわたり計8社15のコールセンターの立ち上げ・再構築・運営に従事。グラクソ・スミスクラインでは国内屈指の高品質なコールセンターとして高い評価を集め、各種の表彰制度で数々の受賞を果たす。コールセンター運営に関する知識、経験、業績のいずれも他に抜きんでた業界の第一人者。著書に『コールセンター・マネジメントの教科書』https://cc-kyokasho.jp/2636031821.html (リックテレコム、2018年)

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