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コールセンターの業務量を予測する――まずは「コール数」の正しい理解から
2019.01.23

AI時代を生き抜く「本物」のコールセンター運営法第2回

コールセンターの業務量を予測する――まずは「コール数」の正しい理解から

著者 熊澤 伸宏

 本連載では、「本物」のコールセンター運営法として、まず、コールセンターのすべての活動の起点である「ワークフォース・マネジメント」の知識と実践法を解説します。

 2回目の今回より、前回説明した ワークフォース・マネジメントの5つのステップ にしたがって、その核心部分である「業務量の予測」と「要員計画」を中心に解説を進めていきます。

 最初のステップは、「業務量の予測」に必要な「データの収集と検証」です。

 

コールセンターの「業務量」とは

 最初に、コールセンターにおける「業務量」のとらえ方について押さえておきます。

 ここでいう「業務量」とは、「一定の時間内におこなう仕事の量」(英語表記で「ワークロード(workload)」)と定義します。日常的に使用する「業務量」とは多少意味合いが異なるので、混同を避けるために、以下では「ワークロード」に統一します。

 ワークロードは、仕事の「数量」(件数)に「作業負荷」(処理時間)を乗じることで、数値として表すことができます。

 これをコールセンターの電話コンタクトに当てはめると、「数量」=「コール数」(通常は1時間あたり)、「作業負荷」=「平均処理時間」となり、両者を乗じて求めた数値のことを「ワークロード時間」と呼びます。

 右の図表の例では、同じ1,000コールを受電するのに、資料請求チームの場合は50時間、受注チームの場合は100時間分のワークロードが必要という見方になります。

 つまり、単純に考えるならば、1時間で受電を完了するためには、受注チームのエージェントは、資料請求チームの倍の人数が必要ということになります。

 この違いは、言うまでもなく平均処理時間の長さの違いによるものです。

 そのために、コール数だけで考えてしまうと、大変な過ちを犯すことになるのです。

 わかりきったような話かもしれませんが、実際のコールセンターの現場を見聞きすると、件数=コール数だけで「業務量」を語る管理者が、決して少数派ではない現実に気付かされます。

 

絶対に理解しておくべき7種類のコール数

 コール数を正確に予測するためには、その前提として、「コール数」そのものに対する正しい理解が不可欠であることは言うまでもありません。

 ところが、コールセンターの当事者でありながら、後述する「着信数」と「応答数」や、「放棄」と「話中」の違いを正確に説明できない管理者が少なくありません。

 一口にコール数といっても、顧客が電話をかけてから通話が終わって電話を切るまでの間に、コール数を測るタイミングがいくつもあります。その違いによって、コール数の定義と使い方が異なります。

 タイミングの違いによるコール数の定義について、コールセンターの管理者として「絶対に」理解しておかねばならないものに、以下に示す7種類があります。… 続きを読む… 続きを読む

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熊澤 伸宏

熊澤 伸宏

コールセンターの教科書プロジェクト https://cc-kyokasho.jp/ 主宰/ひるぎワークス 代表

アメリカン・エキスプレスをはじめとして約30年にわたり計8社15のコールセンターの立ち上げ・再構築・運営に従事。グラクソ・スミスクラインでは国内屈指の高品質なコールセンターとして高い評価を集め、各種の表彰制度で数々の受賞を果たす。コールセンター運営に関する知識、経験、業績のいずれも他に抜きんでた業界の第一人者。著書に『コールセンター・マネジメントの教科書』https://cc-kyokasho.jp/2636031821.html (リックテレコム、2018年)

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