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アウトバウンド・コールの成功に欠かせない、要員数の科学的な算出法
2019.10.29

AI時代を生き抜く「本物」のコールセンター運営法第11回

アウトバウンド・コールの成功に欠かせない、要員数の科学的な算出法

著者 熊澤 伸宏

 コールセンターで「アウトバウンド」といえば、ほとんどの人が真っ先にセールスコールなどのテレマーケティングを思い浮かべるでしょう。

 しかしアウトバウンドには、テレマーケティングだけでなく、コールバック(インバウンド・コールのフォローアップ)、ディスパッチ(サービスマンや配達員の派遣)、コレクション(督促や債権回収)など、異なる種類のさまざまな業務があります。

 にもかかわらず、「アウトバウンド」と一括りにして語られがちです。インバウンド・コールの場合は、受注、予約、問い合わせなど、具体的な業務名で表現し、「インバウンド」の一言で語ることはないにも関わらずです。

 業務の種類が異なれば、当然、要員数算出の方法も異なってきます。本稿では、アウトバウンドを代表する業務である「アウトバウンド・テレマーケティング・コール」(以下、「アウトバウンド・コール」と省略)を対象に、その要員数算出法について解説します。

 

アウトバウンド・コールは「確率のビジネス」、そのために必要な科学的手法

 アウトバウンド・コールを実践するコールセンターの多くに見られるのが、オペレーションをエージェント任せにした管理者が、成果目標の結果にのみ一喜一憂する姿です。

 これは、アウトバウンド・コールの成功がエージェントのセールススキルにあると考えているからであり、それが大きな誤解であることに気付いていないのです。

 アウトバウンド・コールには、「コンタクト率」や「顧客の心理的抵抗感」といった大きな障壁が存在します。そのため、エージェントの“魔法のセールストーク”の養成にいくら躍起になっても、そのスキルを生かせる機会は極めて限られています。つまり、エージェントのスキルだけではほとんど差がつかないのです。

 アウトバウンド・コールはエージェントのスキルに依存した営業手法ではなく、オペレーションのプロセスを科学的に検証しながら成功の確率を高めていくビジネスです。

 そのためのオペレーションの仕組みをしっかり構築し運用することこそが、アウトバウンド・コールの成功に最も重要であり、その効果的・効率的な実践を担うエージェント数の算出や配置も、科学的な手法によりおこなう必要があることは言うまでもありません。

 

まずはアウトバウンド・コールの特徴をしっかり把握する

 アウトバウンド・コールには、インバウンド・コールなど他のコンタクトと異なるいくつかの特徴がありますが、そのうち、要員数の算出に直接影響する4つの特徴について説明します。

 

(1) リストがある

 これがアウトバウンド・コールの最大の特徴と言えるでしょう。

 コールセンターは、リストに基づいて顧客にコンタクトするわけですが、それをいつ、どのようにおこなうかは、コールセンター側の意思によりコントロールすることができます。

 その意味で、アウトバウンド・コールは「レスポンスタイム・コンタクト」(顧客からのコンタクトを順番に処理するタイプのコンタクト)に分類されます。

 したがって、要員数の算出は、レスポンスタイム・コンタクトの要員数算出モデルである「ワークロード人数算出式」の考え方をベースにおこなうことになります。

 レスポンスタイム・コンタクトの要員数算出については、連載第9回の記事で詳しく解説しています。

 

(2) 「ダイヤルすること」がエージェントの実作業

 多くの人が、アウトバウンド・コールにおけるエージェントの作業は「コンタクトすること」と思い込んでいますが、そうではなく… 続きを読む… 続きを読む

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熊澤 伸宏

熊澤 伸宏

コールセンターの教科書プロジェクト https://cc-kyokasho.jp/ 主宰/ひるぎワークス 代表

アメリカン・エキスプレスをはじめとして約30年にわたり計8社15のコールセンターの立ち上げ・再構築・運営に従事。グラクソ・スミスクラインでは国内屈指の高品質なコールセンターとして高い評価を集め、各種の表彰制度で数々の受賞を果たす。コールセンター運営に関する知識、経験、業績のいずれも他に抜きんでた業界の第一人者。著書に『コールセンター・マネジメントの教科書』https://cc-kyokasho.jp/2636031821.html (リックテレコム、2018年)

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